心と体の新習慣 第6回(全11回) 世界的に新型コロナウイルスの感染が止まりません。一方で、外出自粛などの時期を経て、多くの地域で新型コロナウイルスと共に生きる“ニューノーマル(新しい常識・常態)”が始まっています。産業衛生や感染症などの専門家に、今後の新しい生活様式について聞きました。
前回の記事はこちら>> ※2020年6月30日現在の情報をもとに記載しています。『家庭画報』2020年9月号掲載。この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。 これだけは押さえたい「新しい生活様式」
行動別・場面別の感染リスクと対処のポイント
コロナ禍にあっても自分らしく暮らすためには、日常生活における行動・場面ごとの感染リスクを正しく理解したうえで、地域の流行状況に応じて適切に対処していくことが欠かせません。withコロナ時代の「新しい生活様式」についてこれだけは押さえておきましょう。
※実践したい感染対策の項目は、厚生労働省「新しい生活様式」の実践例を参考に作成。業種ごとに作成された感染拡大予防ガイドラインの内容を知りたいときはこちらのサイトを参照。https://corona.go.jp/prevention/pdf/guideline.pdf【美容】
手洗い、マスク着用を徹底し接触感染のリスクを減らす
ヘアサロン、エステサロン、ネイルサロンなどでは施術する際に施術者の手が髪や肌、爪などに直接触れてしまうため、感染リスクが高い場所のように思われがちです。
しかし、施術者の手が顔(鼻、口、目)に触れなければ問題ありませんし、施術者は各業界団体が作成した感染拡大予防ガイドライン(
こちら参照>>)に従い、手洗いや手袋着用、器具の消毒などの感染対策を行っているので、接触感染のリスクはある程度減らせています。
利用者も接触や飛沫による感染リスクを減らすために施術中はマスクを着用し会話を控えましょう。
また、人の少ない時間帯に予約を取る、体調がすぐれないときはキャンセルするといった配慮も大切です。
【旅行・帰省】
自家用車で行ける近場で旅行を楽しみ、帰省は控えめに
長距離の移動を伴う旅行や帰省は感染を拡大させるおそれがあるため、移動制限が解除された後も慎重に行動したいものです。
厚生労働省が新型コロナウイルス感染症専門家会議の提言(2020年5月4日)を踏まえて作成した「新しい生活様式」の実践例(6月19日に一部改訂)にも、感染が流行している地域からの移動、感染が流行している地域への移動は控えるように明示されています。
旅行を計画する際は、暮らしている地域の流行状況を確認し、感染者が増えている時期は新幹線や飛行機を使った遠方への移動は控え、県内やブロック圏内での旅行に留めておくことが感染を拡大させないためにも肝心です。
また、移動手段は公共交通機関より自家用車のほうがリスクを減らせます。
一方、感染者の多い大都市圏からの帰省は、地方(遠方)で暮らす高齢の親や親戚への感染リスクを高めるおそれがあるため、感染状況が落ち着いている時期を含めて1~2年は控え、オンライン帰省にするのが賢明です。
さらに旅行中や帰省中は、新型コロナウイルス感染症を発症した場合に備え、いつ誰とどこで会ったのかをメモしておきましょう。接触確認アプリを活用するのもよい方法です。
また、コロナ以前のように海外旅行に出かけられるようになるのは、世界的大流行が終息する数年先と考えておいたほうがいいでしょう。
2020年6月以降、日本においても国際線のフライトが徐々に再開される動きはあるものの、入国制限の措置が解除されなければ海外に渡航することはできません。
また、入国制限が解除されてもビジネス、留学が優先され、海外旅行が認められるのは最後になるといわれています。
今は自家用車で、別荘ライフをゆっくり楽しんだり、国内で“日本の魅力を再発見する旅”を満喫しましょう。
実践したい感染対策
●感染が流行している地域からの移動、感染が流行している地域への移動は控える。
●発症したときのため、誰とどこで会ったかをメモしておく。接触確認アプリの活用も。
●地域の感染状況に注意する。