心と体の新習慣 第7回(全11回) 世界的に新型コロナウイルスの感染が止まりません。一方で、外出自粛などの時期を経て、多くの地域で新型コロナウイルスと共に生きる“ニューノーマル(新しい常識・常態)”が始まっています。産業衛生や感染症などの専門家に、今後の新しい生活様式について聞きました。
前回の記事はこちら>> ※2020年6月30日現在の情報をもとに記載しています。『家庭画報』2020年9月号掲載。この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。 withコロナ時代こそ「フレイル」予防で健やかに
外出自粛生活が明けてから、体力や気力の低下を実感していませんか。それは「フレイル」の始まりかもしれません。
フレイルとは健康な状態と要介護状態の中間的な状態のこと。その怖さは自覚しないうちに進むことです。
日常の小さな変化は衰えのサイン。歩く速度が遅くなった、握力が弱くなったなどの変化はフレイルにつながります。
新型コロナウイルスに負けないために健康体でいることが必須条件となるこの時期は、フレイルの予防にもいっそう努めたいものです。
〔お話ししてくれるのはこの方〕荒井秀典先生国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター理事長。1984年京都大学医学部卒業、91年同大学大学院博士課程修了。専門領域は老年医学一般、フレイル、サルコペニア、脂質代謝異常。日本サルコペニア・フレイル学会代表理事。健康体を阻む“フレイル”とは何か
●要介護の手前の状態。加齢に伴い筋力や意欲、認知機能などが低下する。
●要介護に移行するリスクが高く、移行すると戻りにくい。
●50代からの対策でフレイルを予防することができる。Yamada M&Arai H. JAMDA 2015を改変