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【病院長インタビュー】徹底したチーム医療で“患者から選ばれる病院”に「がん研究会有明病院」

2020.11.24

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【連載】日本の医療をリードする名病院と病院長 がん研究会有明病院は本邦初のがん専門病院として明治期以来、わが国のがん研究とがん医療の発展に尽くしてきました。近年は“患者から選ばれる病院”としてもよく知られ、国内外から大勢のがん患者が集まる医療機関となっています。より洗練された世界トップレベルのがん専門病院を目指すがん研究会有明病院の魅力と、最新の動向についてご紹介します。記事一覧はこちら>>

第8回
徹底したチーム医療で“患者から選ばれる病院”に
がん研究会有明病院 病院長
佐野 武先生


がん研究会有明病院 病院長 佐野 武先生


がん研究会有明病院 病院長
佐野 武(さの・たけし)
1955年、大分県生まれ。80年、東京大学医学部卒業。同大学医学部附属病院第一外科入局。86年、パリ市キュリー研究所フェロー。国立がんセンター中央病院胃外科等を経て、2008年にがん研究会有明病院に着任。15年、副院長、消化器センター長、消化器外科部長に就任。18年より現職。専門は胃がんで、日本で開発された胃がん根治術(D2郭清(かくせい))の普及に尽力。日本の胃癌取扱い規約と国際指標のTNM分類を統合し、世界共通の診断と治療の定義を作ったことでも知られる。

本邦初の専門病院としてがん研究とがん医療をリード


がん研究会有明病院は本邦初のがん専門病院として1934年に開院しました。民間の医療機関でありながら研究所を母体としているのが大きな特徴の一つで、その研究所はがんへの関心が高まっていた欧州からの呼びかけに応じる形で1908年に創設されました。

初代総裁には内閣総理大臣・桂 太郎、副総裁には渋沢栄一が就任。医学界のみならず政財界が揃って設立に尽力したエピソードから「がん研究の国際協力を通して世界の一流国の仲間入りを果たしたい」という先人たちの熱い思いも伝わってきます。

がん研究会有明病院 屋上の庭園

〔患者のQOLを高めるために安心できる空間やサービスを提供〕屋上にはクラウドファンディングで整備した庭園を。トータルケアコンシェルジュを配置し、患者が困る前のサポートを心がける。(撮影/牛尾幹太)

以来、同研究会は110年余りにわたり、わが国のがん研究とがん医療を牽引してきました。2005年に有明に移転後はその存在感がさらに増し、国内外から大勢の患者が集まる病院になりました。

「がんを最初に発見してくれた医師の紹介で来る人よりも、自分で調べたり当院で治療を受けた患者さんから強くすすめられたりして来る人のほうが多いのです」と病院長の佐野 武先生は打ち明けます。

ここはまさに“患者から選ばれる病院”であり、それは同時に患者の満足度が高いことを意味します。

がん研究会有明病院 カンファレンス

〔多角的な視点からの検討が患者の満足感と納得感を高める〕カンファレンスには外科、内科、放射線治療部など集学的治療に携わる医師たちが全員集まる。そして、患者一人一人の診断内容を確かめながら討議を重ね、治療法を決めていく。
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