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我らが応援団長、松岡修造さん心のコラム 第3回「選手を知れば知るほど、応援は楽しくなる!」

2019.08.23

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東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会まで1年をきり、我らが応援団長、松岡修造さんは「東京2020オリンピック日本代表選手団公式応援団長」に任命されました。第3回は、松岡さんが全力で情熱を注ぐ「応援」についてのお話です。応援団長の任命式が行われた「がんばれ!ニッポン!全員団結プロジェクト」発表イベントのレポートとともに是非ご覧ください。
修造さんと山下会長

8月2日に行われた「がんばれ!ニッポン!全員団結プロジェクト」発表イベントで、日本オリンピック委員会(JOC)の山下泰裕会長から「東京2020オリンピック日本代表選手団公式応援団長」に任命された松岡さん。詳細は2ページ目にご紹介。

アスリートにとってのオリンピックとは?


僕は現役を退いてから、「応援」こそが僕の生きがいと思い、ずっとやってきました。おかげさまで、オリンピックの日本代表選手団公式応援団長も今回で夏季大会4回目になります。


僕の応援のテーマは、「アスリートの立場になって応援する」ということ。そして、選手の立場で考えると、やはりオリンピック・パラリンピックはかけがえのない特別なものです。

そのなかでも、自国開催となる東京2020大会は、日本の選手たちにとって、最高の応援のなかで最高のパフォーマンスができる、またとないチャンス。でも、だからこそ、今まで感じたことがないほどのプレッシャーがかかることは間違いありません。僕らが「がんばれ!」と声援をおくることで励まされる選手がいる一方で、重圧に感じてしまう選手もいるでしょう。

ただ、それがオリンピック・パラリンピックというものなんです。昔から「オリンピックには魔物がすむ」とよく言われますが、どの選手に聞いても、その魔物の正体は結局「自分」。重圧も含め、すべてのものを自分のパワーに変えられる選手が強い。もしくは、そんなプレッシャーをまったく感じないほど、勢いがある選手は本番で力を発揮できますね。

応援の醍醐味は“選手と一体化すること”


修造さんガッツポーズ

では、そんな大切な大会で応援する僕にとって、何が一番の醍醐味かといえば、“選手と一体化すること”。僕は応援しているとき、完全にその選手の中に入っているんです。アテネ大会では北島康介さんが金メダルを獲った喜びも、主将の井上康生さんが負けた悔しさも、自分のこととして味わいましたし、今もそのときの気持ちを鮮明に覚えています。そして、みなさんが僕と同じ感覚になれたら、どれだけ楽しいだろうといつも思っています。

なぜ、僕がそんな感覚になれるかというと、僕自身元アスリートであり、幸いなことに選手にインタビューさせていただく機会も多いので、選手のことをより理解できるからだと思います。選手の考え方や強さ、そして弱さや苦しみ、葛藤。そうした人間的な部分を全国のみなさんに伝えるのも、僕の役割だと思っています。選手のことを知れば知るほど、オリンピックで戦う姿を見たとき、「あんなに苦しんでいた彼、彼女がこんなにがんばっている!」と感動の度合いが間違いなく増します。そして、自然に応援したくなりますし、自分もがんばらなきゃ!と思えるはずです。

現役時代、僕を覚醒させた声援


僕自身の現役時代を振り返ると、やはり応援は力になっていました。応援のおかげでパフォーマンスが変わった経験もあります。1995年にベスト8に入ったウィンブルドンの3回戦もそうでした。セットカウント1-2で負けていた4セットめ、僕はもうどうやっても勝てないと思ってしまっていたんです。

一所懸命頑張っているけれど、相手が強いからしょうがない……そんな気持ちになりかけていたとき、観客席から「修造、自分を信じてけ!」という声援が聞こえたんです。誰だかはわかりませんが、その言葉を聞いたとき「そうだ、俺はまだ負けてないじゃないか!」とスイッチが入り、その後フルセットの末、勝利することができました。あの一言がなければ、僕はベスト8には入れていません。

一言の大切さを知っているからこそ、応援する側になってからは、どうすればそんな一言がかけられるかと、常に考えながら応援しています。でも、一番気をつけているのは、選手の邪魔にならないこと。会場で応援する場合、こちらが思うより、選手は声援がよく聞こえているので、タイミングを間違えないようにものすごく気を遣います。

アテネ大会のとき、浜口京子さんが準決勝で敗れて3位決定戦に向かうとき、気持ちが切り替えられていない様子だったのが気になり、観客席から「すべてを出し切れ!約束だ!」と声をかけました。そうしたら、京子さんはうなずいてくれて、見事に銅メダルを獲得。あとから、「修造さんの言葉で、すべてを出し切るという自分の目標を思い出すことができました」といってくれたときは嬉しかったですね。

スポーツキャスターとしてオリンピックに関わるようになってから、僕がすごく感じるのは、電波を通しても応援のパワーは伝わるということです。これまでの大会で、選手がよく「日本のみなさんの応援を感じました」とおっしゃっていますが、現地にいるとそれが本心だということが実感できます。

これからの1年、僕は選手たちのことをもっともっと伝えていきます。ぜひみなさんにも一人でも多くの選手のことを知っていただきたい。そして、1年後には、観客席やテレビの前で、僕と一緒に応援しましょう!

みんなでつなげよう東京2020への“和”と“心”


修造さん書、信心

コラムの締めは毎回、僕のメッセージを凝縮した一文字の書。“心”がすべての根っこにある!という思いをもとに書いています。第3回は、応援は選手を信じる心「信心」。みなさんもぜひ、アスリートたちを応援してください。

 
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