山梨といえば、なんといっても古来、多くの日本人から畏敬されてきた霊峰、富士山でしょう。2013年6月22日の世界文化遺産登録決定から3周年にあたる今年6月22日に新しく開館したのが、「富士山世界遺産センター・南館」です。施設の目的は、“信仰の対象と芸術の源泉”としての富士山の文化的価値や魅力を体感してもらうというもので、自然環境のみならず、富士山と人とのかかわりをわかりやすく印象的に紹介しています。 [caption id="attachment_1022" align="alignnone" width="670"]
富士山を360度・全方位から見られる巨大オブジェ「冨嶽三六○」。[/caption]
入館してまず圧倒されるのは、宙に浮かぶ富士山の巨大オブジェ。「冨嶽三六〇」と名づけられたそれは、和紙で作られており、高さ3メートル、直径15メートルという巨大サイズ。一日の時間の流れや季節の移り変わりによってさまざまな表情を見せてくれる富士山を音と照明の演出によって再現します。階下に広がるのは富士山を中心に直径1000キロの範囲を示した地形図。こちらは構成資産と富士山文化の広がりを表しています。 また見上げれば、女神伝説や、富士山信仰のかたち、富士山を描いた古今東西の芸術の映像が冨嶽三六〇に内蔵したスクリーンに映し出されます。まさに文化遺産として富士山を知るには最適な施設でしょう。 [caption id="attachment_1024" align="alignnone" width="670"]
冨嶽三六○は、照明によって色を変え、さまざまな表情を見せる。火山であることを思わせる赤く染まる富士。[/caption]
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冨嶽三六〇に内蔵されたスクリーンは「胎内ビジョン」と呼ばれ、富士山の女神伝説などを映し出す。[/caption]
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南館は2016年6月22日にオープンしたばかり。[/caption]
●富士山世界遺産センター・南館山梨県南都留郡富士河口湖町船津6663-1TEL:0555-72-0259開館時間:8時30分~17時(10月1日~翌年6月30日まで。7月~9月は閉館時間が変わります)第4火曜休館(隣接する北館は無休)入館料:一般420円(北館は無料)http://www.fujisan-whc.jp/ 一方、未来を担う交通機関として期待されているのがリニアモーターカー。「山梨県立リニア見学センター」の中にある「どきどきリニア館」は、山梨リニア実験線の走行試験の開始に合わせて開館しました。リニア開発の歴史を紹介するほか、試験車両(MLX01-2)の実物展示や磁気浮上走行を体験できるミニリニアのコーナーがあり、テラスからは走行試験の様子を見学できます。 [caption id="attachment_1027" align="alignnone" width="670"]
こちらでしか見られない走行試験中のリニア。走行試験の運転予定は事前に発表されるので確認が必要。[/caption]
JR東海はリニア中央新幹線を、平成39年に東京-名古屋間で営業運転を開始する方針を発表しており、実現すると時速500キロ、新幹線の約2倍の速さで山梨と東京を約20分、東京と大阪もわずか1時間ほどで結ぶ世界最速の新幹線となります。「どきどきリニア館」はこの夢の超高速鉄道がどのような仕組みで動くのか、いったいどのくらいの速さなのかを体感できる施設なのです。 ちなみに走行試験を屋外で見学できるのはこちらだけ(走行試験の日程はホームページなどで要確認)。世界文化遺産から超電導リニアまで、古くて新しい山梨県の魅力をたっぷりと堪能できる2つの施設をこの秋、訪ねてみてはいかがでしょう。 [caption id="attachment_1028" align="alignnone" width="670"]
「山梨県立リニア見学センター」の中にある「どきどきリニア館」[/caption]
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どきどきリニア館の1階には、2003年に当時の世界最高速度時速581キロを記録した試験車両(MLX01-2)の実物が展示されている。[/caption]
●山梨県立リニア見学センター(どきどきリニア館)山梨県都留市小形山2381TEL:0554-45-8121開館時間:9時~17時(入館は16時30分まで)月曜・年末年始休館(月曜が祝日の場合は翌火曜。火曜が祝日の場合は開館)、祝日の翌日は休館(祝日の翌日が金・土・日曜の場合は開館)入館料:一般420円(わくわくやまなし館は無料)http://www.linear-museum.pref.yamanashi.jp/ ●『家庭画報』2016年11月号掲載 この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。