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1500年の歴史を重ね、進化する伝統工芸「越前漆器」

2016.10.06

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都道府県のスペシャリテ 「福井県」

銀で描いた蒔絵の上から透き漆を塗り重ねることで、模様が黄金色に浮き上がって見える──越前漆器の伝統的な技法「白檀塗」。趣ある上品なつや、雅な美しさ……これぞニッポン、と謳いたくなる繊細美溢れる作品は、“漆イコールJAPAN”といわれてきた、この国が誇る漆工芸の素晴らしさを雄弁に物語ります。この「白檀塗」に、現代技術を取り入れて生まれたのが、写真の「アイフォンケース」。

 

[caption id="attachment_1032" align="alignnone" width="670"] iPhone6/6s対応のカバーケース。ポリカーボネイト素材に銀彩を施し、職人が一つずつ漆を塗って仕上げた、ニュアンスあるつやの白檀塗。おめでたい吉祥文様で展開。簡単に装着でき、軽量。特に衝撃に強いわけではないので、落としたりぶつけたりしないよう注意が必要。右から、市松、青海波、七宝、各5000円。ほかに矢絣、結び桜、どっと(豆絞り)の計6パターン。[/caption]
伝統工芸は、ただ眺めて守るだけの芸術ではなく、今を生きる日本人の日常に合わせて進化し、広く人々の生活の中で使われ愛され、受け継がれていくべき文化なのだという作り手の思いを表現しています。この製品を世に送り出したのは、福井県鯖江市河和田で、昭和37年の創業より越前漆器を作り続けてきた、「土直漆器」の2代目土田直東さん。土田さんは大学卒業後音楽業界に就職し、第一線でキャリアを築いた後、故郷・福井へ戻り、家業を継ぎました。そして現代における伝統工芸の理想的なあり方を模索し、越前漆器のクオリティを保ちつつ、食器洗浄機にも対応できる新しいシリーズを開発するなど、故郷の誇る伝統工芸の活性化に尽力。


 

[caption id="attachment_1034" align="alignnone" width="670"] 最終段階の上塗り。埃がつかぬよう、ムラにならぬよう、最も神経を遣い、熟練の技を要する作業。[/caption]

 

[caption id="attachment_1035" align="alignnone" width="670"] 下地に塗るサビ(錆)。漆と砥の粉(砥石を粉にしたもの)を混ぜてできたパテ状の漆。何種類ものヘラを使い分け木地の上に塗っていく。[/caption]
「アイフォンケースでもサーモマグ(※10月発売予定)でもいいんです。まずは漆に触れて、そのよさを実感してほしい。そして、お椀やお箸といった日常の食器にも興味を持って、携帯電話と同じように気軽に毎日使っていただければと思います」。人生の質につながる営みとして、“食”を大切にする気持ちが消費者全体に芽生えつつある時代、食物をいただく“器”もその一部といえるでしょう。とはいえ伝統工芸というと、なんとなく敷居が高く感じてしまう……そんなかたに、まずはこのアイフォンケースを。気軽に、お洒落に、愛用してみてください。

 

[caption id="attachment_1036" align="alignnone" width="670"] 先代から継承した伝統技術を駆使した直右ヱ門シリーズ。奥から、椀1万5000円、ぐい呑み5000円、平椀6000円、盆1万円。[/caption]

 

●土直漆器
福井県鯖江市片山町6-1-2
TEL:0778-65-0509
www.tsuchinao.com/
●『家庭画報』2016年10月号掲載 この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。
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