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輝きを放つ、パリの最新ラグジュアリーホテル「シュヴァル・ブラン パリ」

2022.02.21

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夢と希望に、輝きを放つ 新しいパリ物語 第1回(全11回) 2024年夏季オリンピックのメイン開催地となるフランス・パリ。活気づく街を牽引するように、新たに誕生したホテルやレストランは、「文化的遺産を生かす」「自然との共存」「サステナビリティ」などまさにこれからの時代のキーワードを体現したものになっています。未来に向けた最先端のラグジュアリーの形を、いち早くご紹介いたします。

最新のラグジュアリーホテル


シュヴァル・ブラン パリ

パリオリンピックでは開会式やトライアスロンなどの舞台となる予定のセーヌ川。ポンヌフのたもとに登場したホテル「シュヴァル・ブラン パリ」の地下には、セーヌの水位とほぼ同じ高さに全長30メートルのプールが出現。時おり鳩が羽ばたき教会の鐘が鳴る、デジタルアートによるパリの風景の中で泳ぐ体験は、宿泊客だけの特権。

シュヴァル・ブラン パリ Cheval Blanc Paris


シュヴァル・ブラン パリ

セーヌ河畔の名所の数々が手に取るよう。16年の眠りから覚めたレガシー


「まるでタイタニック号が甦ったかのよう」という喩えに大きく頷いてしまうほど、このホテルの誕生は歴史的といっていいでしょう。ポンヌフの右岸に建つ「ラ・サマリテーヌ」は、1870年の創業以来パリっ子に親しまれてきたデパートでしたが、2005年に閉鎖され、沈黙すること16年。そしてついに21年、マクロン大統領臨席のもとに華々しく幕を開けました。

注目すべきはセーヌ川に面した部分がホテルになったこと。しかもLVMHグループがパリで初めて手がけるホテルと聞けば期待が高まります。美しいアール・デコの外観はそのままに、内側では、21世紀のリュクスがさまざまな形で体現されています。

シュヴァル・ブラン パリ

扉を開けると広がるエントランスホール。高さおよそ4メートル、ブラジル人アーティスト、ヴィック・ムニーズによるエッフェル塔の2枚の絵が迎えてくれる。

家具、調度はもちろん、壁の細工、テキスタイルに至るまで、このホテルの内装すべてがオーダーメイド。携わった人は600人以上、館内はまさに現代アルチザンの技の集大成といえます。

客室の内装は、明るく、かつ落ち着いたアースカラーが基調。特にセーヌに面した部屋などは、窓の外と内とが融合したかのような雰囲気で、いながらにしてパリの街の空気が満ちてくるような充足感があります。

シュヴァル・ブラン パリ

ポンヌフを渡る人々の姿も見えるセーヌ側のジュニアスイートは、オフホワイトと青磁色のトーンでまとめられていて、まるで水の流れを思わせるよう。アール・デコ建築の傑作である建物そのものの歴史にちなみ、当時のモチーフを現代的に解釈しつつ、テキスタイルやオブジェなどのデザインとして生かしている。

美食の楽しみもまた一流。レストラン「プレニチュード」のシェフに就任したのは、南仏サントロペの「シュヴァル・ブラン」で三つ星を獲得したアルノー・ドンケル氏。パリに新風を吹き込みます。

シュヴァル・ブラン パリ左・シェフパティシエ、マキシム・フレデリック氏が手がける「プレニチュード」のデザート。6種類の柑橘類が花に化身したような見目麗しいひと皿。右・「プレニチュード」のひらめ料理。キャビアに加え、魚のブイヨン、乾燥プランクトン、鮑、牡蠣なども隠し味になった海の香り満載の一品。料理写真2点©Richard Haughton

パリ随一の絶景を眺めながらバーベキューを楽しむという贅沢

シュヴァル・ブラン パリ

最上階のレストラン「ル・トゥ・パリ」の特等席は、エッフェル塔とポンデザール、アンヴァリッドが一枚の絵のように広がる開放的なバルコニー。シェフが最後の仕上げをしているのは、定番の一つ、アンコウのバーベキューで、ピラフや季節野菜の付け合わせと一緒に供される。新鮮な素材をシンプルに料理して和気藹々と楽しむ、モダンブラッスリーのようなもてなしで、気分を高揚させてくれる。

下のフォトギャラリーから、詳しくご覧いただけます。

Information

シュヴァル・ブラン パリ Cheval Blanc Paris

8 quai du Louvre 75001 Paris

  • 全72室 客室料金:1070ユーロ~。レストラン 「プレニチュード」(コースメニュー320ユーロ~)、「ル・トゥ・パリ」(記事内で紹介したアンコウのバーベキューの料理は二人分で85ユーロ)、「リンバー」(ティータイムセット65ユーロ~)。最上階にはイタリアンレストラン「ランゴステリア」もある。
撮影/武田正彦 取材・文/鈴木春恵 ※1ユーロ≒131.19円(2022年1月5日現在) ※料金やメニュー等は変更になる場合があります。
『家庭画報』2022年3月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。
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