奈良の桜紀行 第2回(全25回) 奈良の桜こそ、私たちが今いちばん見たい風景ではないでしょうか。新たに誕生した宿、地元に愛される美食処とともに古都の桜の名所をご案内します。
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「又兵衛桜」の名は、戦国武将・後藤又兵衛が僧侶となってこの地で生涯を終えたという伝説が由来。周囲には遊歩道が整備され、桃や水仙が彩りを添える。天候や時間で変わる桜の表情を捉えようと写真愛好家も多く足を運ぶ。300年守られてきた圧巻の一本桜
「国中(くんなか)」と呼ばれる奈良盆地に対し、自然豊かな高原や山岳が広がる県の東部・南部エリアは、近年「奥大和」と称され注目を集めています。
『古事記』『日本書紀』にも名を残す神武天皇ゆかりの地、宇陀(うだ)。清涼な空気に包まれた静かな里山が、ひときわ賑わいを見せるのが桜の季節。
主役は樹齢300年と伝えられる枝垂れ桜です。その様子から“本郷の瀧桜”とも呼ばれ、高さ13メートルにも及ぶ巨木が山を背景に泰然と佇む様は圧巻。近くで仰ぎ見ると、迫力に言葉を失うほどです。
Information
又兵衛桜 (宇陀市)
宇陀市大宇陀本郷
- 近鉄「橿原神宮前駅」から大宇陀行きバスで「大宇陀高校前」下車、徒歩20分
撮影/鍋島徳恭 取材・文/河合映江
『家庭画報』2022年4月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。