365日 花散歩に出かけよう 日々、何気なく歩く道や街で出会う花や花木の名前がわかれば、もっと散歩が楽しくなります。ガーデニングエディターの高梨さゆみさんが、季節の花や花木を毎日紹介。住宅街でも見つかる身近な植物や、人気の園芸品種もピックアップ。栽培のコツも紹介します。
一覧はこちら>> アキレア
ピンクのグラデーションが美しいアキレア。別名の由来になったノコギリのような葉にもご注目を。■属科・タイプ:キク科の宿根草
■花期:5月中旬〜8月
■草丈:60〜80cm
ファッショナブルな花色が豊富に揃います!
初夏〜夏の花壇で活躍する花の中で、私の最近のお気に入りがアキレアです。ノコギリソウの仲間で、名前のとおり、葉にノコギリのようなギザギザがあります。庭でよく利用されるのは西洋種のノコギリソウで、「セイヨウノコギリソウ」の別名でも出回ります。
最近、その園芸種に新しい花色が続々と登場し、それがとてもしゃれた花色ばかりで、カタログで見ているだけでもワクワクしてくるのです。あー、この花が実際に咲いているところを見たい! という思いが強いせいか、庭めぐりや散歩の途中でも遠くにこの花が咲いていると気がつきます。ごく小さな花が密に集まって花房になるので、花色がよく目立つこと、また、花房の下のラインが直線的で地面と水平になっているように見えること、じつはそれがこの花を見つけやすい理由なのです。
イングリッシュガーデンなどでは、アキレアを何株も植え、花房の水平のラインとそばに植えた花の縦に伸びる直線的なラインを対比させるデザインがよく見られ、計算された植栽デザインに感心します。
一方グラスなどと組み合わせると、まるで草原の景色のようなナチュラルさを感じさせるのもアキレアの魅力です。使い方次第で、さまざまなデザインに対応できるアキレアの可能性が、私にはたまらなく魅力的に感じられます。
栽培の難易度
丈夫な宿根草ですが、日本の高温多湿には注意が必要。日当たりがよく、やや乾燥ぎみの土壌に植えつけます。痩せ地でもよく育つので、逆に肥料分が多すぎると倒れやすくなります。施肥は株に元気がないときくらいにとどめておきます。
【難易度】
★ 容易・初心者向け
★★ 標準・初級〜中級者向け
★★★ 少し難しい・中級〜上級者向け
★★★★ 難しい ・上級者向け
★★★★★ 栽培環境が限られる 高梨さゆみ/Sayumi Takanashi
イギリス訪問時にガーデニングの魅力に触れて以来、雑誌や本などで家庭の小さな庭やベランダでも楽しめるガーデニングのノウハウを紹介。日本、イギリスの庭を訪ね歩くほか、植物の生産現場でも取材を重ねる。