365日 花散歩に出かけよう 日々、何気なく歩く道や街で出会う花や花木の名前がわかれば、もっと散歩が楽しくなります。ガーデニングエディターの高梨さゆみさんが、季節の花や花木を毎日紹介。住宅街でも見つかる身近な植物や、人気の園芸品種もピックアップ。栽培のコツも紹介します。
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ガーデンの小道に顔を出して咲くガイラルディア。風通しがよさそうな花形のせいか軽快な雰囲気を感じさせます。■属科・タイプ:キク科の一年草、または宿根草
■花期:6月〜10月
■草丈:40〜80cm
夏の暑さを感じさせないかわいらしい花
7月25日にヘレニウムを風車のようと紹介しましたが、もう一つ、さらに風車に似た花が真夏の日差しの下で元気に咲いています。南北アメリカ原産のガイラルディアです。和名テンニンギクの一年草ほか、オオテンニンギクの和名の宿根草もあり、2種の交配品種も出回っています。
キク科には夏の暑さに強い花が多くありますが、ガイラルディアも耐暑性が強く、夏〜秋まで花が続きます。ヘレニウムと同様に花弁と花弁の間にすき間がありますが、花弁が筒状で先端がくるっと巻いているところがヘレニウムと異なります。ヘレニウムよりさらに風通しがよさそうな花形で、そのせいか庭で咲いていると軽やかな動きを感じます。
ヘレニウムをお気に入りと書きましたが、私はどうも風車系の花が好きなようで、このガイラルディアも大好きな花です。黄色とオレンジ色をメインにピンクの花色もあり、暖色系ではありながら暑苦しさを感じさせないのもガイラルディアの軽やかな花形によるものかもしれません。
神奈川県にあるガーデンを訪ねたところ、ガイラルディアが見事な大きな株になって咲いて、夏らしさの中にかわいらしさのある魅力的な景色にわくわくした気持ちになりました。ガーデナーさんによると、夏のナチュラル風のガーデンによく似合い、性質も丈夫で管理しやすいそうです。
栽培の難易度
日当たりがよく、水はけのよい土壌に植えます。乾燥ぎみの土壌を好むので、水の与えすぎに気をつけて。また痩せ地でもよく育つため、肥料を与えすぎると草丈が高くなりすぎてしまいがち。元肥を入れれば、追肥の必要はありません。
【難易度】
★ 容易・初心者向け
★★ 標準・初級〜中級者向け
★★★ 少し難しい・中級〜上級者向け
★★★★ 難しい ・上級者向け
★★★★★ 栽培環境が限られる 高梨さゆみ/Sayumi Takanashi
イギリス訪問時にガーデニングの魅力に触れて以来、雑誌や本などで家庭の小さな庭やベランダでも楽しめるガーデニングのノウハウを紹介。日本、イギリスの庭を訪ね歩くほか、植物の生産現場でも取材を重ねる。