有馬温泉VS箱根温泉 第5回(全10回) 首都圏からのアクセス抜群、上質な温泉と自然がもたらす風光明媚な景観で、古くから東西の奥座敷として親しまれている箱根温泉と有馬温泉。コロナ禍を経て、より心地よく進化中の両地を訪問。「今」の魅力に迫ります。
前回の記事はこちら>> 有馬の歴史散歩
1.万病に効く日本最古の温泉
神代の頃、大己貴命(おおなむちのみこと)と少彦名命(すくなひこなのみこと)によって発見されたのが始まりとされる有馬温泉は、『日本書紀』や『枕草子』にも登場する日本最古の温泉です。
奈良時代には温泉の薬効を知る僧、行基が温泉寺を建立し、その後、鎌倉時代に仁西が薬師如来の十二神将にちなんで12の宿坊を開き、有馬温泉の発展の礎を築いたといわれています。
大己貴命(写真下)と少彦名命、熊野須美久命(くまのくすびのみこと)を祀る。子宝、子授けの神社としても有名。湯泉(とうせん)神社兵庫県神戸市北区有馬町1908
TEL:078(904)0418
2.偉人に親しまれ愛された湯
飛鳥時代の舒明天皇や孝徳天皇をはじめ、小野小町、清少納言、足利義満、黒田官兵衛、福沢諭吉、谷崎潤一郎といった偉人たちの心と体を癒やしてきた有馬の湯。
なかでも豊臣秀吉は北政所や千 利休らを伴って9回訪れ、茶会を催したり湯山御殿を設けたりするなど、温泉をこよなく愛し、天災に見舞われた有馬の復興にも尽力しました。
1995年に発見された秀吉の湯殿の遺構や出土品などを展示紹介する資料館。太閤の湯殿館兵庫県神戸市北区有馬町1642
TEL:078(904)4304