徳川家康の秘密 第6回(全26回) 東海道で結ばれる出世の道を巡りながら、人間・徳川家康の実像と、意外に知られていない現在の日本人と家康との関係に迫ります。
前回の記事はこちら>> 岡崎産の花崗岩を積み上げて築かれた石垣に、戦国の世がしのばれる。杉野さんが見つめる本丸天守台の石垣は、岡崎公園にある石垣の中でも最も古いと伝えられる。岡崎城徳川家康生誕の城。江戸時代は「神君出生の城」として重要視された。現在の天守は1959(昭和34)年に復興されたもの。街のシンボルとして家康の偉業を伝える。
愛知県岡崎市康生町561-1 岡崎公園内
TEL:0564(22)2122
開館時間:9時~17時(入館は16時30分まで)
家康が生まれた城、街を歩く
岡崎で生まれた家康は6歳までこの地で過ごし、19歳で帰城してから29歳で浜松に移るまでの10年間、岡崎城を拠点としました。天下統一という旅の出発点となったふるさと、岡崎の中心部には家康ゆかりの多彩な名所が点在しており、歩いて巡ることもできます。
運命的な出会いから家臣団に加わることとなった榊原康政も、文武の才をもって徐々に頭角を現していきます。それにしても難局が続くとはいえ、今回の大河ドラマで描かれる家康のなんと悩み深く、迷い多きことか。
「上に立つ人がそういう姿を見せるというのは、やはりなかなかないですよね。でも、それだけ人間味があるというか。だからこそ、家臣たちも支えたいと思う。そもそも家康という人は生まれながらに上に立つ器であり、どんどん上りつめていく宿命だったのだとも思います」そう、杉野さんは語ります。
家康、康政ともに熱く青年期を過ごし、飛躍への基礎を培った岡崎時代。「こうしてゆかりの場所を訪ねてお話を聞くことで、康政という人物の輪郭が、また少しくっきりとしてきたような気がします」。
1542(天文11)年、城内で産声を上げた家康(幼名・竹千代)が最初につかった産湯を汲んだとされる「東照公産湯の井戸」。「家康公との縁が結ばれた地に来られてよかった」(杉野さん)
左から榊原康政、徳川家康、本多忠勝をイメージしたパフェ。各960円。三者三様のパフェに舌鼓。康政のパフェ(左)はフルーツに生キャラメルでコクをプラス。「こだわりと自信が詰まったパフェですね。兜のモチーフもカッコいい」。兜の前立ては自家製のクッキーで。
いちかわ1927(昭和)2年創業。八丁味噌料理の老舗が10年来手がける武将パフェが、ひときわ熱い注目を集める。
愛知県岡崎市康生町515岡崎公園内 隠居曲輪跡
TEL:0564(22)2479
営業時間:11時~夕方
水曜定休(臨時休業あり)
撮影/小林廉宜 取材・文/清水千佳子 スタイリング/伊藤省吾〈sitor〉 ヘア&メイク/後藤 泰〈OLTA〉Tシャツ8800円/タウンクラフト(セル ストア) その他/スタイリスト私物
『家庭画報』2023年5月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。