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都通信記事一覧へ>> 冷凍食品チェーン「ピカール」のガレット。6人用5.95€、8人用7.90€。「ガレット・デ・ロワ(Galette des Rois)」とフランスの年迎え
(パリ特派員:大島 泉)
日本でも知られつつあるガレット・デ・ロワは、まさに、これを食べないと新年が始まらないといっても過言でないほど、フランス人にとって1月のシンボルのようなお菓子です。
それは、お菓子自体より、それを食べる時の慣習に、皆が愛着を持っているからでしょう。
ガレット・デ・ロワとはどんなお菓子?
公現祭
新年1月6日または、1月2日から8日の間の日曜日は、キリスト教の公現祭。キリストの生誕を祝って、東方の三博士(三賢王)が礼拝に訪れた日とされています。この日に食べるのが、「ガレット・デ・ロワ」、フランス語で「王様達のお菓子」意味するお菓子です。王様は、この東方三博士を指します。
フェーヴ
パイ生地の中にアーモンドクリームを入れた焼き菓子(ガレット)の中には、「フェーヴ(そら豆)」と呼ばれる、陶製の小さなフィギュアが隠されています。
王冠ガレットを切り分けて、自分のピースにフェーヴが入っていた人が、王様・女王様となり、紙の王冠をかぶるという慣習があるため、ホールサイズのガレットには、必ず、紙の王冠がついて売られています。
新進気鋭のパティシエ、ヤン・クーヴルーのガレット。定番のフランジパーヌをつめた丸型。フェーヴは、ヤン・クーヴルーのマスコット的存在のキツネの形。4〜5人用26€、7〜8人用38€。1月はガレット・デ・ロワを何度も食べる
ガレット・デ・ロワは、公現祭の日だけに食べるお菓子ではありません。その日に限らず、1月下旬くらいまで食べます。
ガレットを囲んで、家族や友人と集まるのはもちろんのこと、学校給食のデザートでも、12人に1台くらいのガレットを切り分け、フェーヴが当たった子供はその日ずっと王冠をかぶっていたり、会社の食堂でも、病院の食事でも、1月上旬には「ガレットの日」があるのが一般的です。
そのくらい、フランス人にとっては新年に欠かせないお菓子です。
ユーゴ・エ・ヴィクトールの正統派ガレット。メイド・イン・フランスにこだわって、プロヴァンス産のアーモンドと「ボルディエ」のバターを使用。3〜4人用25€、6〜8人用45€、10〜12人用55€。知ってた? ガレット・デ・ロワの伝統的な食べ方
ガレット・デ・ロワには食べ方の決まりもあります。
まず、ガレットを囲む人の中で、一番年の若い子供が、テーブルの下に入ったり目隠しをするなどしている間に他の人がガレットを切り分けます。
子供は見えないまま、切り分けたピースを誰に配るかを指名します。
そうすれば、例え切り分けているときにフェーヴの陶器の模様が見えてしまっても、誰に当たるかはわからない、というわけです。
また、8人用や10人用の大きいサイズのガレットの場合は、王冠が2つついています。
フェーヴを当てて王様または女王様になった人は、パートナーとなるもう1人の王様/女王様をを指名し、一緒に王冠をかぶります。
それが家族の集まりならば、親や祖父母が小さい子を指名して喜ばせ、学校給食だったら、好きな子に告白する場になったりもして、大いに盛り上がることも。