「プール付きヴィラスイート」から望む幻想的な朝焼け。この日は紅掛空色(べにかけそらいろ)。本島の東海岸にあるリゾートだから美しい朝日に巡り合えるこの一瞬は、シャンパーニュとともに迎えたいもの。南国の絶景と本格フランス料理の心地よきマリアージュ
水平線から朝日が昇るにつれ、刻々と表情を変える空。どこまでも果てしなく広がる海。沖縄本島の東側、宜野座(ぎのざ)村にある「ザ・ひらまつ ホテルズ&リゾーツ 宜野座」は、手つかずの自然に抱かれるように建つ、大人の隠れ家リトリートです。
もちろん、日本のフランス料理シーンを常にリードしてきたひらまつグループならではの〝美食〟への矜持はますます健在。雄大な海と空に包まれて本格フランス料理をいただくという、今までにない時間を過ごすことができます。
敷地内の最も高い場所にあるレストラン棟。エントランスには平良敏子さんの芭蕉布や稲嶺盛吉さんの琉球ガラスもさりげなく飾られている。「日本全国から厳選した旬の食材と自分が見つけた沖縄の食材を寄り添わせた、シンプルで軽やかな料理を心がけています」と話すのは総料理長の木下喜信さん。
「琉球すっぽんや今帰仁(きなじん)アグーなど、興味深い食材がいっぱい」と木下喜信シェフ。この時期のディナーコースは、自身のスペシャリテでもある「マッシュルームのカプチーノ仕立て」をはじめ、フォアグラや鹿肉といった厳選素材の二つの味わいが楽しめるひと皿など、バラエティ豊かな構成に。香り、色合い、食感……、一つ一つの料理がひときわ五感に響くのは、南国のこののびやかな空気のなせる業でしょうか。
メイン料理は「2種の調理法で仕上げた北海道産蝦夷鹿肉」。赤身が美味なロース肉はマリネしてグリル、鹿もも肉と鶏レバーのミンチはパイ包みに。食事を終えレストラン棟の外に出ると、満天の星が。南国の夜風を肌に感じながら、プールサイドや浜辺への散策もロマンティックです。
客室で、プールで。自然に溶け込む安らぎを知る
まるで海へと続くかのように設計されたインフィニティ・プールは朝日の絶景スポットでもある。ヴィラの琉球瓦の赤が旅情を誘う。レセプションラウンジに入った瞬間、目の前に広がるのは、水平線まで見晴らせる海、海、海。ときに藍色、ときに浅葱色、ときに鈍色に。宜野座黒糖のウェルカムスイーツをいただきながら、散策しながら、テラスでくつろぎながら……、目の前の空と海の色は瞬時に変わり、見飽きることはありません。
沖縄らしい碧く広々とした海はどの客室からも望める。テラスのジャグジーで、リビングで南の海を全身に感じたい。ホテルの敷地はその海に向かってゆるやかに傾斜、19の客室があるヴィラ、インフィニティ・プールなどが点在しています。伝統的な琉球瓦が印象的なヴィラの客室はすべてがオーシャンビューで、テラスにはジャグジーが。これぞ理想的なプライベートリゾートのスタイルです。このリゾートでの最も贅沢な過ごし方は、〝何もしないこと〟。時間に追われず朝食を楽しみ、プールサイドのデッキでお昼寝。おなかが空いたら、シェフ心尽くしの軽食を。
「仔牛となすのラザニア」「シーザーサラダ」など、プールサイドやカフェではイタリアン系の軽食もいただける。 朝食は自慢のエッグベネディクトを。連泊のゲストには和食も用意。海亀も産卵にやってくるというビーチに散歩に行けば、島ヤドカリの愛らしい動きに思わず足が止まります。気がつけば一日はそろそろ終わり。自然のリズムに身を委ねる心地よさを実感。明日の日の出を楽しみに、目を閉じればやがて贅沢な眠りが訪れます。
Information
ザ・ひらまつ ホテルズ&リゾーツ 宜野座
沖縄県国頭郡宜野座村字松田1425
- [基本料金]1室2名利用で1泊2食付き1名5万6592円~。 ご紹介した「プール付きヴィラスイート」は1泊2食付き1名11万5560円~(いずれも税・サービス料込み)
撮影/大泉省吾 取材・文/露木朋子
『家庭画報』2019年2月号掲載。この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。
※(税別)(サービス料別)とあるものには別途、消費税やサービス料がかかります。表示されている宿泊料金はシーズンの最低料金です。料理は状況によって、一部メニューや盛りつけが異なる場合があります。