鮮やかな赤が地面を覆い尽くす幻想的な美しさ
ガーデニングエディターの高梨さゆみです。毎週更新の花と庭を愛でる旅情報、今週は山々の木々よりひと足先に、美しい紅葉が楽しめるコキアの名所をご紹介します。世界でも注目される幻想的な景色ですので、ぜひ旬を逃さずお出かけください。
山の紅葉が話題に上るのは11月に入ってから。温暖化の影響か、以前より紅葉の季節が遅くなっていますね。紅葉というと樹木を思い浮かべますが、一年草や宿根草などの、いわゆる草花にも美しく色づく種類があります。なかでもヒユ科の一年草、コキアの鮮やかな紅葉はよく知られています。コキアの名所はたくさんありますが、スケールの大きさでは、茨城県ひたちなか市にある国営ひたち海浜公園が最大級ではないかと思います。
国営ひたち海浜公園のコキアの紅葉。このスケールの大きさは感動もの。真っ赤に紅葉するのは10月中旬の7〜10日間のみ。写真提供/国営ひたち海浜公園
【連載】旬を愛でる花旅 ・庭めぐり 9月~10月の名所[第3回]夏の花の最後の美しさを愛でる[第4回]花色冴えるダリアは秋の庭の主役[第5回]世界が絶賛する日本のダリアを見に行こう!
→花の名所をもっと見る国営ひたち海浜公園の開園面積は約200ヘクタール。ディズニーランドの約4倍もの面積があり、その中にある「みはらしの丘」には約3万2000株のコキアが植えられ、10月の中旬には燃えるような赤に染まります。
初めてその地を訪れたときには、目の前に広がる、鮮烈な赤の絨毯を敷き詰めたような景色の、あまりのインパクトの強さに息をのみ、言葉もでないほど感激しました。その景色が海外でも紹介され、「あり得ない美しさ!」「この世のものとは思えない!」などと絶賛され、最近では外国からわざわざ訪れる人も増えているそうです。