北欧の美しき暮らしを訪ねて 第2回(全10回)私たち日本人のライフスタイルがドラスティックに変わろうとしている今、改めて北欧のスタイルに注目し、学ぶべきことがたくさんあるようです。第1部では小林聡美さんがフィンランドを訪問し、現地で出会った魅力的な人々を通じた素敵な暮らしや住まい、カルチャーをご紹介。第2部では、北欧の名品を日本の暮らしの中でセンスよく楽しむ術をユキ・パリスさんに教えていただきます。
前回の記事はこちら>> 【ポルヴォー旧市街】古都・ポルヴォーで名品とともにある暮らし
──アンナ・ステニウスさん(ポルヴォー観光局勤務)
リビングルームは北欧らしい筒形のストーブが置かれたシンプルな空間。「すっきりしていて居心地がいいですよね」(小林さん)。右から、アンナさん、息子のニティアくん、お母さまのティッタさん、小林聡美さん、娘のケイリーさん。ピンク、黄、水色、ミントグリーンなど、まるでおとぎ話の国に迷い込んだかのようなパステルカラーの家が建ち並ぶポルヴォー旧市街。
この街の中心に近い一角にある、アンナ・ステニウスさんのご自宅を訪ねました。
出迎えてくれたのは、マリメッコのワンピース姿がチャーミングなアンナさんのお母さま、ティッタさん。
嬉しそうに小林聡美さん主演映画のDVDを見せてくれながら、「『かもめ食堂』も『めがね』も大好き。会えるのを楽しみにしていたの」と早くも歓迎ムードです。
季節の花を楽しみながら中庭でコーヒータイム。緑豊かな中庭を見ながら室内に案内してもらうと、そこにはフィンランドデザインの名品が置かれた素敵な空間が広がっていました。
「この家は1970年に建てられたものです。ヘルシンキから引っ越してきたのが一年前。両親がインテリア好きで、引っ越しの際に、今では買えないヴィンテージの家具や食器をそのまま受け継ぎました」とアンナさん。
庭のルバーブを使ったパイ。お母さま作かと思いきや、実はアンナさんのご主人作。北欧の住宅は一般的にあまり広くないといわれます。アンナさんのご自宅も、コンパクトな広さではありますが、木造建築の木のぬくもりを生かした落ち着く空間。
モノトーンのインテリア、アクセントにした華やかな色の布づかい、照明の効かせ方など、部屋をすっきりとお洒落に見せる技が随所に光っていました。