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都通信記事一覧へ>>「イマ・カンティーヌ」で朝10時から食べられる赤いシャクシューカは、トマト、赤いパプリカ、玉ねぎ、コリアンダー、ギリシャ風ヨーグルト、サフランスマック(酸味のあるスパイス)と卵入り。ピタパンつき。11€50。©︎Fabrice Besseカフェオレ&クロワッサンは過去の話?パリで注目のプティ・デジュネ(朝食)はコレ
(パリ特派員:大島 泉)
パリの朝食といえば、今まではカフェオレにクロワッサンが定番で、そもそもパリジャン・パリジェンヌは、朝はほとんど食べないというのも普通でした。しかしこれらは過去の話になりつつあるようです。
ここ数年、おいしくて体にもよい、栄養もしっかり取れる朝食を出すカフェが、パリにどんどんオープンしています。
今回ご紹介するのは、なかでも特に個性的で、グルメなパリ人も足しげく通うお店3軒。どのお店もこぢんまりとした個人経営のお店ですが、アングロサクソン系のコーヒーショップの朝食に影響を受けたメニューが人気で、若い人を中心に、ベジタリアンやヴィーガンが増える一方のパリならではの、ヘルシーなこだわりが感じられます。
1.イマ・カンティーヌ
朝から、料理された順にどんどん大皿が並べられていくカウンター。ランチのミックスプレートは、この中から組み合わせて選べる。©Fabrice Besseベジタリアン向けのメニューがもりだくさんの人気カフェ
サン・マルタン運河に面した一面ガラス張りのカフェ、「イマ・カンティーヌ」。3年前にオープンして以来、おいしいベジタリアンとして評判が広がり、朝から晩までお客さんの途切れない、人気店になっています。
店名にある「イマ」とは、ヘブライ語で「お母さん」を意味します。開店当初はイスラエル料理を基本としていましたが、今はさらに、地中海や英米系の料理にインスピレーションを受けたメニューが多く揃います。
緑のシャクシューカは、ほうれん草、ズッキーニ、ポロネギのクーミンとフェンネル風味のレモンピールのコンフィ、フェタチーズと卵入り。ピタパン付き。11€50。©Fabrice Besse「シャクシューカ」をご存じですか?
とはいえ、やはり一番の人気メニューは、朝10時から注文できる「シャクシューカ」。イスラエルの朝食の定番で、グルメの人を中心に今や世界的に知られるこの料理は、トマトベースの野菜ソースに卵を落として軽く煮込んだ、栄養たっぷりの朝ごはんメニューです。
こちらでは、トマトやパプリカを使ったサフラン風味の赤色のシャクシューカだけでなく、ほうれん草やズッキーニ、ポロねぎ、レモン、フェタチーズ入りの緑のシャクシューカもあります。
10時から注文できるリコッタチーズ入りパンケーキ。ギリシャ風ヨーグルトとメープルシロップ、デーツシロップとフレッシュフルーツ添え。2枚で13€50。©Fabrice Besseパンケーキは甘いのも塩味のも
朝食の定番パンケーキは、フルーツやリコッタチーズをふんだんに使った甘いもののほか、ポーチドエッグ、レバノンの塩ヨーグルト「ラブネ」、ミント入りのペーストがついた、塩味をきかせたものもあります。シャクシューカもパンケーキも、お好みで選べる嬉しい心遣いです。
朝8時に開店してすぐに食べられるのは、ボリュームたっぷりのホームメイドのグラノーラや、カウンターに並んだ日替わりのクッキーやケーキ類。賑やかな様子に食欲が湧くこと間違いなしです。
ガラスに書かれたIMAの文字。店内から見ると、フランス語で「友達」を意味するAMIになる、という遊び心溢れた演出。午前中は店内も落ち着いていますが、ランチタイムになると、日替わりのベジタリアンプレート目当てのお客で賑わいます。
ベジタリアンのシェフが考え抜いたメニュー
自らもベジタリアンである女性シェフのヴィクトリアは、「野菜だけでもいろいろな味があって、こんなに満足できるんだと知ってほしい」と、日々新しいメニュー作りに挑んでいます。要望に合わせて、ヴィーガン用のアレンジや、アレルギー対策もしてくれます。
お店はサンマルタン運河に面している。IMA CANTINE
39 quai de Valmy, 75010 Paris
電話 +33 (0)1 40 36 41 37
営業時間 8時~22時30分(土曜・日曜10時~)
定休日 なし
http://www.imacantine.fr