旬を愛でる花旅・庭めぐりとは…毎週水曜日は、ガーデニングエディターの高梨さゆみさんが“今が旬”の花の名所情報をお届け。今回は、今注目のイングリッシュガーデンに咲く、宝石のような早春の花々をご紹介します。
旬を愛でる花旅・庭めぐり(23)
早春のイングリッシュガーデンで宝探し 〜群馬・アンディ&ウィリアムス ボタニックガーデン
原種系のシクラメン・コウムは冬の間も花が咲き続けている。ハート形の葉も愛らしく、人気が高い。早春のガーデンは視線を低くして散策するのがお約束
群馬県太田市にある「アンディ&ウィリアムス ボタニックガーデン」は、私が大好きなイングリッシュガーデンです。イギリスにおけるイングリッシュガーデンの約束事をきちんと踏まえながら、日本の気候に適した無理のない植栽で美しい風景を生み出す工夫と努力には、いつも頭が下がる思いです。
その「アンディ&ウィリアムス ボタニックガーデン」が冬季休園を終え、2月21日からオープンします。 私は早春に幕開けするこの庭がとても好きです。寒さが残るせいもあり、まだ訪れる人も少なく、まるで早春の庭を独り占めしているような贅沢な気分をいつも味わっています。
早春のこの庭では、視線を地面に落として歩くことがお約束。だって、草丈が10cmたらずのかわいらしい花が何種類も、落ち葉に紛れながら咲いているのですから、一つも見逃すまいと、まるで宝探しのように気持ちを集中させ、ワクワク心ときめかせて歩きます。
ガーデンで見つけられる花たち。花の名前をご存知でしょうか?一番右はシクラメン・コウム。その他の答えは次ページで。すぐに目につくのがシクラメン・コウム。原種系のミニシクラメンで、冬の間から春先までずっと、ハート形の葉の上にショッキングピンクの鮮やかな花を咲かせます。鉢で出回る大型のシクラメンとは異なり、山野草のような清楚の雰囲気が魅力で、寒い冬の間も花を咲かせ続けるたくましさと健気さに心打たれます。