旬を愛でる花旅・庭めぐりとは…毎週水曜日は、ガーデニングエディターの高梨さゆみさんが“今が旬”の花の名所情報をお届け。今回は信州名産のおいしいリンゴを使ったオリジナルスイーツもいただける、芝生を美しく染めるクロッカスの庭をご紹介します。
旬を愛でる花旅・庭めぐり(27)
庭の季節の始まりを告げるクロッカス〜長野・蓼科高原バラクラ イングリッシュ ガーデン
蓼科高原 バラクラ イングリッシュ ガーデンの芝生を美しく染め上げるクロッカスの群生。毎年春のお彼岸頃に見頃を迎える。「クロッカスが咲いたよ」は春の始まりの合図
イギリス・ロンドンの地下鉄に乗る楽しみのひとつは、構内への昇降のエスカレーター。長いエスカレーターの壁沿いに飾られた広告は、みな同じサイズのフレームにおさめられていて、まるでカジュアルな美術館の展示のような雰囲気です。
たとえそれがセールの告知でも、統一の取れたディスプレーのお陰で「きちんと感」があるのがおもしろいといつも感じています。
さて、歴史ある地下鉄の広告の中で、かつて園芸愛好家を喜ばせていたのがキューガーデンの広告です。
キューガーデンとはロンドン郊外にある王立植物園で、2003年にユネスコ世界遺産に登録された世界でもっとも有名な植物園です。
そのキューガーデンが出していた広告がとにかく素晴らしい! 美しい植物が綿密に描かれたポスターは、今でも収集家がいるほど魅力的なものです。
キューガーデンの広告の中でも、園芸愛好家が待ちわびていたのが「クロッカスが咲いたよ」という春いちばんに掲載されるポスターです。
ロンドンの春はクロッカスの開花から始まります
その告知は「さあ、庭の季節が始まるよ」という意味でもあり、園芸愛好家たちの心を躍らせるものでした。
広大な芝生を染めるように咲くキューガーデンのクロッカスの景色は、まるで目の前に花の絨毯をふわっと広げられたようで、素晴らしさに心が高揚し、春が来たという喜びでいっぱいになります。
そんなキューガーデンのクロッカスの景色を日本でも見ることができる庭があることをご存じでしょうか。
●クロッカスガーデンの魅力、まだまだご紹介します!
(2)長野県の本格式英国庭園で「クロッカス」に出会う
(3)ガーデンのカフェで食べられるイギリスの国民的スイーツ…お土産用の美味しい食べ方もお教えします