歩み続ける永遠の花の都 私たちを待つパリ 第4回(全6回)新型コロナウイルス感染拡大による激動の時代にあって、花の都、パリも新しい時代に向けて大きく変わろうとしています。環境や健康、次世代を考えたライフスタイルを提案する人々、パリ五輪を見据えた、数々の新しい文化施設など。次に私たちが訪れるパリは、さらに魅力的になっているでしょう。現地から、“パリのエネルギー”をお届けします。
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ナチュール・ユーベンヌ
©Agripolis 欧州最大の屋上菜園「ナチュール・ユーベンヌ」。農学エンジニアのパスカル・アルティ氏は事故で両足の自由を失ったのち、一念発起して「アグリポリス」を立ち上げ、都市農事業を展開。バスティーユのオペラ座、「ギャルリー・ラファイエット」と「BHV」デパート。これらに共通するのは何だと思いますか? 答えは、屋上に広大な菜園があること、なのです。
パリでは都市農業が着実に拡大中で、複数の組織によって大小さまざまなプロジェクトが展開されています。なかでも欧州最大の規模を誇るのが、ポルト・ド・ヴェルサイユの見本市会場に新しくできた屋上菜園「ナチュール・ユーベンヌ」。
1万4000平方メートルの屋上を菜園にするというもので、コロナ禍の昨年に初収穫となりました。作物は屋上レストランで味わえるほか、地元のスーパーでも買えるという、地産地消の最新型です。
土を使わず、水を循環させて無駄を出さない垂直栽培を採用。©Agripolis 「ギャルリー・ラファイエット」と「BHV」で屋上菜園を展開する「スー・レ・フレーズ」では、材料も製造もパリという商品を開発。ハーブティー、ビール、ジン、はちみつ、キャンディ、ヌガーのほか、野菜やハーブのペーストも種類豊富。 撮影/小野祐次 取材・文/鈴木春恵
『家庭画報』2021年5月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。