歩み続ける永遠の花の都 私たちを待つパリ 最終回(全6回)新型コロナウイルス感染拡大による激動の時代にあって、花の都、パリも新しい時代に向けて大きく変わろうとしています。環境や健康、次世代を考えたライフスタイルを提案する人々、パリ五輪を見据えた、数々の新しい文化施設など。次に私たちが訪れるパリは、さらに魅力的になっているでしょう。現地から、“パリのエネルギー”をお届けします。
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パリとその近郊には続々と新名所が誕生し、光の都は一層まばゆい輝きに満ちています。ここでは、なかでも注目の新スポットをご紹介。
華やかな海軍館が一般公開
オテル・ド・ラ・マリーン黄金の装飾がまばゆい「Salon d’honneur」。奴隷制度廃止令調印など、歴史の重要な場面を見つめてきた建物の重厚さを感じる。ルイ15世を讃える場として誕生したコンコルド広場に面したこの建造物は、王室お抱えの建築家アンジュ=ジャック・ガブリエルの設計により18世紀に建設されました。ルイ16世とマリー=アントワネットの居城となる予定だったものの、ここに住むことはなく、王室の調度品の保管所に。
フランス革命後は200年以上にわたり海軍の参謀本部「オテル・ド・ ラ・マリーン」として使用されていましたが、この壮麗な館が大規模改装を経て、ついにすべての人に開かれた場所に生まれ変わります。宮廷文化が最高潮に開花していた時代の煌びやかな世界を体感できるさまざまなツアーが開催されるそう。
中庭にはスターシェフのジャン=フランソワ・ピエージュ氏が手がけるレストランもオープン予定。そのほか、ライブラリー、企業オフィスなどが入居し、歴史的遺産を身近に感じられる場所に。
コンコルド広場から見たオテル・ド・ラ・マリーン。Hôtel de la Marine2 Place de la Concorde 75008 Paris
www.hotel-de-la-marine.paris2021年4月オープン予定。最新の情報は公式サイト等をご確認ください。
大人が集う華やかなエリアに
ブルガリ・ホテル パリ
ブルガリ・ホテル パリの誕生により一新された、19世紀のオスマン様式を彷彿させるライムストーンを使用した外装。伝統とモダニズムが見事に調和。ラグジュアリーホテル界を牽引する「ブルガリ・ホテル」が、2021年パリに登場します。
パリ8区のジョルジュ・サンク通りに面し、最上級のエンターテインメントやショッピング、グルメなど、パリの真髄を味わえる滞在を約束。そして全76室のそのほとんどがスイートルームという贅沢さ。
25メートルプールを備えたスパ、庭園、3つ星シェフのニコ・ロミト氏のイタリアンレストランなど、一度は宿泊してみたい新名所です。
BVLGARI HOTEL PARIS30 Avenue George V, 75008 Paris
www.bulgarihotels.com/ja_JP/paris2021年オープン予定。最新の情報は公式サイト等をご確認ください。
ヴェルサイユ宮殿の敷地内に
ル・グラン・コントロール©Fotoliaパリ郊外・ヴェルサイユ宮殿の城壁内にホテルが誕生。14室の客室とスイートルームからなり、客室からは宮殿、オランジュリー(温室)、スイス人の池が望めます。
屋内プールやスパ、アラン・デュカス氏によるレストランのほか、宮殿内プライベートツアーなど、王侯貴族気分に浸れる極上の非日常ともいうべき夢心地の滞在は、永遠に記憶に刻まれる特別な思い出になるはずです。
18世紀当時のアンティークの調度品で彩られる豪奢でロマンティックな客室。太陽王ルイ14世や、王妃マリー=アントワネットなど、歴史上の人物たちの息遣いが感じられそう。©Christophe Tollemer.LE GRAND CONTRÔLE12 rue de
l'Indépendance-
Américaine
78000 Versailles
2021年春オープン予定
取材・文/河島裕子
『家庭画報』2021年5月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。