ドイツ、魅惑のビール街道 第4回(全5回) ビールの醸造所が集まるドイツ・バイエルン州。ヨーロッパで活躍するオペラの演出家/プロデューサー、高島 勲さんが、ブルワリーを巡って1000キロの旅をしました。
前回の記事はこちら>> バンベルク
世界遺産の町でビールを味わう
©Bamberg Tourismus und Kongress Service - Steffen Schuetzwohlバイロイト、ニュルンベルク、バンベルクを結ぶ三角地帯は、起伏に富んだ地形がスイスを思わせることから“フランケンのスイス”と呼ばれています。一帯には70以上の醸造所が点在し、これらを結ぶ田舎道は「フランケン・ビール街道」と名付けられています。
バンベルク市内だけで13の醸造所がありますが、名物は何といってもラオホビアでしょう。ラオホとは煙のこと。麦芽を乾燥させる際にブナやオークで燻します。燻製ベーコンのような味のするおいしいビールです。
この街のラオホビアの醸造所は2軒のみで、今もこだわりの味を守っています。「シュペツィアル」のラオホビアは軽めながら家族に受け継がれる深い伝統の味。
シュペツィアル醸造所の創業は1536年。1898年以降はメルツ家が所有・運営している。父親のクリスティアン氏は4代目。息子のセバスティアン氏と共に醸造所、レストラン、ホテルを営む。©Brauerei Spezial「シュレンケルラ」はしっかりとした味と強い燻製の香りが特徴です。1387年からあるという砂岩丘陵の地下10メートルにあるタンク貯蔵庫で、クナープ氏に試飲させてもらった出荷前のビールは絶品でした。
下の写真をスクロールして詳しくご覧ください。 取材・文(ドイツ国内)/高島 勲 協力/バイエルン州駐日代表部、ドイツ観光局 構成・文/三宅 暁(編輯舎)
『家庭画報』2021年11月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。