安心・安全なくつろぎを求めて プライベートを楽しむ極上の宿 第5回(全11回) 国内外を自由に旅することがままならなくなった今、真のリラックスを求めて、旅先の宿を選ぶ基準は大きく変化しています。1日1組もしくは数組の小さな宿、離れや独立したコテージが充実した宿を日本全国で探しました。小さな宿ゆえにそれぞれのコンセプトが明快な個性派揃い。厳選の10軒にご案内します。
前回の記事はこちら>> 2階の和室やベッドルームからは琵琶湖と空を一望。朝は部屋の正面から昇る陽の光が波紋を映し出し、心洗われる絶景。湖のうつろいを常に感じながら過ごせる宿の特等席。一望千里の眺めに出会う、琵琶湖の湖畔宿
【1日1組】福田屋(滋賀・今津)
琵琶湖の北西に位置する、近江今津に2020年6月にオープンした湖畔の宿。
若狭から日本海諸国の産物を運ぶ街道だった通りに佇み、かつてここを行き来する旅人に愛された旅籠「福田屋」の建物を1組だけの宿に改修しています。
刻々と変わる景色を楽しめる浴室はデッキ付き。広々とした和室、ベッドルーム、レストランやお風呂などからなる1棟2フロアを定員6名で貸し切ることができ、その間、常に目に触れ、心を癒やしてくれるのが、対岸まで見通せる琵琶湖の絶景です。
囲炉裏では炭火焼きや鍋を味わうこともできる。120年ほど前の旅籠の趣を建物全体で楽しめる。2人の専属スタッフがゲストの願いを叶えるおもてなし
「ここはおばあちゃんの家のようにゆっくりのんびりしていただく場所です。雄大な景色と地元の旬の食材を取り入れた料理で、素の琵琶湖を楽しんでもらえたら」と話す、ご主人の西村一樹さん。
湖のうつろいを眺め、くつろぐうちに、懐かしい気持ちが湧き上がってきます。
夕食の鯉の造りとたたき、ニジマスのきずしのあぶり。地酒の飲み比べセット(1000円)も。鰻と自生するクレソンの鍋。食事は、近郊の生産者を回って仕入れた湖魚や近江地鶏、地野菜を用い、冬はジビエや湖のニジマス、寒モロコなどの季節限定の味覚も登場。
その日のゲストの好みに合わせた料理を用意し、お鍋やすしといった要望にも応えてくれます。
琵琶湖に浮かぶ祈りと暮らしの水遺産、竹生島や対岸の伊吹山まで見通せるレストラン。予約時のリクエストに応えた献立を用意し、目の前で湖魚を天ぷらにして提供することも。かつての旅籠に思いを馳せつつ、夜は囲炉裏端で、朝は陽の光を浴びた湖を眺めながら味わうこともできます。豊潤な湖西の恵みを心身で堪能してみてはいかがでしょう。
料理は西村一樹さん、サービスはスタッフの矢内由美子さんが担当。JR近江今津駅までの送迎もあり、徒歩15分ほど。福田屋(ふくだや)滋賀県高島市今津町今津76
TEL:0740(22)0029
基本料金:1室2名利用で1泊2食付き1名8万5000円(税・サービス料込み)
URL:
http://fukudaya.jp/6名まで宿泊可能。3名以上から食事代1名1万5000円を加算。IN15時/OUT11時 全1室
〔特集〕安心・安全なくつろぎを求めて プライベートを楽しむ極上の宿
表示価格は税込みと記載のあるもの以外は原則として税抜きです。
撮影/本誌・坂本正行 取材・文/西村晶子
『家庭画報』2021年3月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。