安心・安全なくつろぎを求めて プライベートを楽しむ極上の宿 第10回(全11回) 国内外を自由に旅することがままならなくなった今、真のリラックスを求めて、旅先の宿を選ぶ基準は大きく変化しています。1日1組もしくは数組の小さな宿、離れや独立したコテージが充実した宿を日本全国で探しました。小さな宿ゆえにそれぞれのコンセプトが明快な個性派揃い。厳選の10軒にご案内します。
前回の記事はこちら>> ヴィラで供される和洋融合の山家料理を盛り込んだ部屋食。食事も温泉も。楽しみ方を自由に選択
有馬山叢 御所別墅(兵庫・有馬温泉)
日本最古の名湯として知られる有馬温泉屈指の老舗旅館「陶泉 御所坊」。その系列の「有馬山叢 御所別墅(ありまさんそう ごしょべっしょ)」は賑わう温泉街から少し離れた山手に佇むヨーロッパのプチホテルを思わせる宿です。
木造平屋とメゾネットのスイート10室が1400坪の敷地に点在し、開業13年目を迎えた今も静けさは変わることなく、豊かな自然に包まれています。
豊富なミネラルを含む褐色の金泉を部屋で独り占め。国が指定する9つの泉質のうち7つを有する金泉は美肌の湯でもある。一方、もてなしのかたちは着々と進化。
2020年、有馬特有のミネラル豊富な金泉を全客室に引き入れ、大浴場に行かずとも楽しめるようになり、食事はレストランと部屋食を選択できるプランをスタートしました。
レストランの夕食から。最高和牛の「但馬玄の味噌ソース」、「鰆の西京漬けとフォアグラのソテー」、「伊勢海老のビスク・潮仕立て」。「海外のお客さま向けに考えたのですが、今、まさに国内のお客さまから求められるサービスになりつつあります。滞在中の過ごし方の幅が少しでも広がるように、アフタヌーンティーも始めます」と、時代に即した宿の過ごし方を提案する16代目主人の金井一篤さん。
但馬玄とチョコのクッキーや黒豆ブラウニー、オリジナルの「坊茶」など、有馬や丹波の産品で作られたアフタヌーンティー。軽めの夕食とセットにした宿泊プランもある。客室には36度前後に保たれた低温サウナのサーマルルームもあり、金泉と併用しながら汗を流せば身も心も軽やかに。
思いのままの宿ステイができ、屋外に出れば、鳥のさえずりや木々を抜ける風を感じながらリフレッシュ。
名旅館の伝統と今の心地よさが共存する、新しい名宿といえます。
岩盤浴ができるテレビ付きサーマルルーム。古きよき別荘地を思わせる緑陰の宿。有馬山叢 御所別墅(ありまさんそう ごしょべっしょ)兵庫県神戸市北区有馬町958-1
TEL:078(904)0554
基本料金:「ヴィラ」1室2名利用で1泊2食付き1名6万円〜(税・サービス料込み)
URL:
http://goshobessho.com/IN15時/OUT12時 全10室 温泉あり
〔特集〕安心・安全なくつろぎを求めて プライベートを楽しむ極上の宿
表示価格はすべて税込みです。
撮影/本誌・坂本正行 取材・文/西村晶子
『家庭画報』2021年3月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。