安心・安全なくつろぎを求めて プライベートを楽しむ極上の宿 最終回(全11回) 国内外を自由に旅することがままならなくなった今、真のリラックスを求めて、旅先の宿を選ぶ基準は大きく変化しています。1日1組もしくは数組の小さな宿、離れや独立したコテージが充実した宿を日本全国で探しました。小さな宿ゆえにそれぞれのコンセプトが明快な個性派揃い。厳選の10軒にご案内します。
前回の記事はこちら>> 家庭画報ゆかりの「旅上手」に聞く
プライベート感を満喫する宿
女優・賀来 千香子さん
近い場所に、上質なしつらいがある嬉しさ「箱根・翠松園」
写真/伊藤彰紀〈aosora〉温泉旅館の和の気分と、モダンでラグジュアリーな部屋の洋の気分が楽しめるのが「箱根・翠松園」です。
大正時代の建築を残す「料亭 紅葉」でいただく和朝食。釜炊きご飯は厳選したコシヒカリを使用して、ふっくらと炊き上げる。四季折々のおいしいお料理とそれに合わせた器づかいも魅力の一つ。眼も舌も満足できる贅沢なひとときですね。
文化財としての料亭の雰囲気も素敵ですし、サービスも行き届いていて、ゆったりと過ごせる大人の空間です。
そして、満足して一晩過ごした翌朝の釜炊きご飯がおいしくて、お代わりしちゃうんです! 最後まで嬉しいところも印象的ですね。
●箱根・翠松園神奈川県足柄下郡箱根町小涌谷519-9
TEL:0460(86)0852
URL:
https://www.hakonesuishoen.jp/
ヴァイオリニスト、作曲家・川井 郁子さん
瀬戸内の自然とアートの融合に癒やされて「ベネッセハウス」
美術館とホテルが融合した直島の「ベネッセハウス」では、美しい自然とアートが非日常へと誘ってくれます。
パノラマの瀬戸内海を望む「オーバル スイート ROOM 404」では、現代作家のデイヴィッド・トレムレットがこの部屋のために制作した作品が鑑賞できる。静かな部屋の窓から外に目を向けると、穏やかな瀬戸内海が広がっており、その景観を眺めていると、自分とゆっくり向き合えるような深い癒やしを感じました。
アート作品の展示は館内だけにとどまらず、近くの地中美術館をはじめ、さまざまなアート作品が周辺に点在します。それが瀬戸内ならではの豊かな自然と溶け合って特別な時間を過ごせます。
安藤忠雄による建築。写真/山本 糾●ベネッセハウス香川県香川郡直島町琴弾地
TEL:087(892)3223
URL:
https://benesse-artsite.jp/
ファッションデザイナー・コシノ ジュンコさん
クリアな思考をもたらす洗練された空間「旅庭群来」
函館から車で2時間、昔にしん漁で栄えた江差にある「旅庭群来(りょていくき)」。
7室の客室は離れのように配置されており、全部屋スイート。それぞれデザインが異なる。設計は北海道を代表する建築家・中山眞琴によるもの。到着したらまずはルームウェアに着替えて。整理されたインテリアの中にいると頭の中がクリアになります。贅沢な空間とは、広すぎず狭すぎず落ちつきがあるものです。
個室風の温泉にゆったりと浸かり、ぼーっと外を眺めると、日常のものごとや人から解放されて精神的にリラックスできます。
大きな庭園にいびつな石が敷き詰められたインスタレーションと四角い空が見事です。
石を敷き詰めた庭は海を思わせる。●旅庭群来北海道檜山郡江差町字姥神町1-5
TEL:0139(52)2020
URL:
https://www.esashi-kuki.jp/