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画家・デザイナー 川原真由美さんが語る、森の中で絵を描く楽しみ

2021.05.11

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自然がくれる癒やしの力 日本の「新緑遺産」第4回(全13回)今、森の中を歩いていると想像してみてください。土の匂い、小枝を踏む音、鳥のさえずり、葉擦れの音、木漏れ日など、五感を通して自然が私たちに語りかけてくれます。新緑が美しくなるこの時期、自然の中で、また自宅で、「森の効用」を取り入れる暮らしを提案します。前回の記事はこちら>>

森に遊ぶ人-川原真由美さん(画家・デザイナー)
「森の中では気張らずに自由に描くことを楽しめる」


森の中では気張らずに自由に描くことを楽しめる
「見たままでなく、色や形を自由に想像して抽象的に描くのも水彩画の楽しさです」。手前は割れて露あらわになった岩肌、奥はぼかしながら草花を淡く描いたもの。道具は畳むと携帯電話ほどのサイズになる「Winsor&Newton」の絵具箱を使用。蓋は筆洗いの器に、開くと右に水入れ、手前と左にパレット、中央には固形顔料が14色収まっている。

10年来、山登りを続け、そこでの出会いを温もりのあるタッチと色彩で描いてきた川原真由美さん。


「絵を描くことは難しいと思うかたも多いと思います。でも、自然の中にいると、部屋で机に向かっているときとは違ってリラックスして描くことを楽しめるはず」といいます。

「森の中では、上手に描かなければと意気込む必要はありません。切り株に腰かけて描いていると、突然雨に降られたり、紙が風に吹かれたりして絵が汚れることがよくあります。思うようにきれいな状態でいられない環境だからこそ、“何でもいいや”と肩の力が抜けて自由な気持ちになります。これは、自然がもたらしてくれる効用かもしれません」。

絵を見返したとき、スケッチブックの汚れからその日の出来事を思い出すのだそう。

「森の香りや土を踏む音、鳥のさえずり──。自然の中に身を置くと目からの情報だけでなく、さまざまな感覚が研ぎ澄まされます。“五感を使う落書き”くらいの心持ちで描くと楽しいと思います」。

森の中では気張らずに自由に描くことを楽しめる
時間に余裕のない日帰りの登山をするときや高山を登るときは、カメラで絵にしたいポイントを撮影し自宅でゆっくりと描く。「写真を見ていると、鳥の声やもくもくとした雲の様子などを思い出して2度楽しみを味わえます」。左から、緑生い茂るアルプスの山々、鮮やかに描いた森の木々、八ヶ岳に咲く高山植物のハクサンフウロ。過酷な環境でたくましくも可憐に咲く花を愛らしく描いて。

川原真由美(かわはら・まゆみ)

川原真由美さん
東京藝術大学美術学部デザイン科卒業後、広告制作会社「サン・アド」のデザイナーを経て独立。書籍、広告などを中心に絵やデザインの仕事で活躍。著書『山とあめ玉と絵具箱』(リトルモア)の原画・新作個展を東京の「本屋 Title」で2021年4月5日まで、静岡の「ひばりブックス」で2021年5月1日から開催。
http://www.kawaharam.com




撮影/本誌・坂本正行
『家庭画報』2021年5月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。
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