京都の醍醐味 第4回(全14回) 紅葉の美しい隠れ里の寺社、襲名展を控えた十六代樂 吉左衞門家、ラグジュアリーの中に伝統が息づく最新ホテル、伝統の味と新味が楽しめる料理店など、いつの日か訪れたい京都の“今”へご案内します。
前回の記事はこちら>> 癒やしの滞在「HOTEL THE MITSUI KYOTO(ホテル ザ ミツイ キョウト)」
二条城に程近い、三井総領家ゆかりの地に2020年秋オープンした「HOTELTHE MITSUI KYOTO」。受け継がれる伝統文化や日本の美意識がモダンに表現され、心地いい空間を創り出しています。
地下約1000メートルから湧き出る天然温泉水を活用したサーマルスプリング。38度に保たれた天然温泉のプールは水着を着用して利用。水と石が織りなす静謐な空間には、水音だけがかすかに響く。出世作『テルマエ・ロマエ』を挙げるまでもなく、お風呂好きを自認するヤマザキさんも未知の癒やしを実感。「まさか京都のど真ん中でこんな温泉体験ができるとは。“現代のテルマエ”は衝撃でした」ヤマザキマリさん
ラウンジの窓は気温が穏やかな日には全開放され、眼前に広がる庭園と一体化したような感覚が味わえる。水面の先には、秋は紅葉、春は枝垂桜が。四季の彩りに酔いしれる。開放感溢れるラウンジから庭園を見晴らしながら、ヤマザキさん、「アジアの名だたる最高級リゾートと肩を並べる、これほどにクオリティの高いホテルが遂に京都にも登場したんですね」と、思わず感嘆の声を上げます。
「斬新な発想でとても新しいものを創っているのに、京都の持つ厳かさを何も壊していない。しっくりと溶け込んでいるところがすごいと思います」
京都という町を尊重する精神が随所に感じられますね
「茶居」は、新しい茶の湯文化を発信するために設えられた現代の茶室。監修は武者小路千家家元後嗣・千 宗屋氏。京都に息づく厳かさ、それは、時空に流されない場所を守ろうとする人々の尊重や誇り高さと結びつくもの。
「だからこそ京都という町は、表面はどんなに観光客の目にこすられ、かたどられようとも、軸は絶対にぶれない。裏側にちゃんと実質的な町の形を保っているのだと思います」
新たに出会ったホテルで得たのは、揺るぎない確信でした。
レストラン「都季-TOKI-」では、フランス料理と日本料理が融合した美食に出合える。手前はさんまと赤パプリカとトマトのテリーヌ。奥は牛いちぼのステーキ。下のフォトギャラリーから詳しくご覧いただけます。 Information
HOTEL THE MITSUI KYOTO
(ホテル ザ ミツイ キョウト)
京都市中京区油小路通二条下ル二条油小路町284
- 1室11万1300円〜(朝食付き、サービス料込み)。ご紹介したニジョウスイートは1室25万6700円(朝食付き、サービス料込み)。1周年記念の特別プランを予定。詳細はホテルにお問い合わせください。
撮影/本誌・坂本正行 スタイリング/平澤雅佐恵 ヘア&メイク/田光一恵〈TRUE〉 取材・文/河合映江 ヤマザキさん衣装:ジャンプスーツ39万6000円 バッグ14万8500円/ともにジョルジオ アルマーニ(ジョルジオ アルマーニ ジャパン) ※営業時間や定休日は状況により変更になる場合があります。宿泊料金はシーズンの最低料金です。料理は食材の都合により内容が変更になる場合があります。表示されている料金には別途宿泊税、入湯税、サービス料等がかかる場合があります。
『家庭画報』2021年11月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。