紫竹ガーデンに春来る 第4回(全7回) 北海道の人気庭園として名高い「紫竹ガーデン」。なかでも雪解け直後からの「春の庭」は圧巻。早春から爛漫の春へ続く花園のドラマを余すところなく、ご案内します。
前回の記事はこちら>> 160万本以上のチューリップが輪舞する。見晴るかす花波、微笑む花園
若緑色の芝生やムスカリやパンジーが先んじて地面を覆った後、満を持したように「パレット花壇」のスターであるチューリップが咲き上がる。色とりどりのチューリップが天を仰ぎ見るように花開く頃、紫竹ガーデンには、春爛漫の季節がやってきます。
「まだ雪が残る中、あちこちでプチン、プチンと音がするように咲き始めたと思ったら、あとは一気に。爆発的に春が訪れるのが北海道なんです」と和葉さん。
チューリップの開花はまさに春到来を告げるファンファーレ。早咲きのものは4月下旬頃からつぼみを膨らませ、やがて普通咲き、遅咲きへとバトンタッチ。5月中旬をピークにガーデン内の広大な「パレット花壇」を色鮮やかな花色に染め続けます。
圧巻の群生美、この密集ぶりを支えるのは、投入する球根の数。その数たるや、ゆうに10万個以上だそう。「ここはとにかく同一品種の量優先。毎年、正確な本数がわからないほど、たくさん植えます。越年し続けるものも多くて、なかには20年ほど前に植えたものも。顔を出してくれると嬉しいものですね」。
今年もまた、愛らしいチューリップの季節が始まります。