日本の聖地を訪ねて 日本人は古来、自然の中に八百万の神々を見出し大切にしてきた土地柄です。神聖なる力や自然の美しさを感じられる聖地を数秘研究家のともこさんが訪ねます。新時代の開運の縁となりますように。
記事一覧はこちら>>> SuhiLife ともこ数秘研究家・ライフコーチ・コラムニスト。数秘の智慧を生活に生かし、しなやかで心地よい暮らしを送るヒントを伝えている。個人セッションのほか、カルチャースクールでの講義も行い、人気を集めている。初となる著書『誕生日が教えてくれる本当のあなた』(世界文化社)が絶賛発売中。第3回 原始自然信仰の聖地 三重県熊野市
原始自然信仰が息づく古い神社が多く残る三重県熊野市。最初に訪れたのは「丹倉(あかぐら)神社」です。
車1台がやっと通れるくらいの細い山道をひた走り、辿り着く秘境のパワースポット。まだ肌寒い陽気のなか、青々とした木々の間を走っていると自然と「会いたい」という想いが湧き上がってきました。
丹倉神社の鳥居をくぐって、石段を下りると目の前に現れるご神体の磐座(いわくら)。丹倉神社は巨石をご神体とする、社殿を持たない神社。まさに自然崇拝の姿がそこにはあります。
ご神体の岩の上からは、樹木が育ち、神秘の生命力を感じることができる......。まるで別次元の世界にいるかのようで、ゆっくりと呼吸を整えながら、自然と手を合わせ祈りを捧げる自分がいました。
丹倉神社から林道を3キロほど進むと、大丹倉への入り口が。岩道を登ると、断崖絶壁の頂上に辿り着く。近くには修験者の聖地「大丹倉(おおにぐら)」といわれる巨大な岩山があります。険しい岩道を登りきると、目の前に竜の背のような、雄大な山々が現れました。かつて修験者たちも見たであろうこの光景は、とても素晴らしいものでした。
花窟神社の手水舎横に鎮座する丸石は、ご神体である磐座から落ちてきたとされる。自分の体の痛いところをさすってから、この岩に触れると治るという言い伝えが。さらに熊野市には、『日本書紀』にも登場する日本最古の神社・世界遺産「花窟(はなのいわや)神社」があり、「黄泉の国と接する場所」として有名です。
イザナミノミコトが祀られている高さ約45メートルの花窟神社の磐座。ご祭神は「イザナミノミコト」とその御子「カグツチノミコト」。こちらも視界に入りきらないほどの巨石をご神体とし、圧倒的な存在感と巨大なパワーが伝わってきました。
ヤシの木のシルエットも美しい七里御浜の日の出。最後に、息をのむほどの美しさだったのが、世界遺産「七里御浜」。日本の渚百選にも選ばれた約22キロ続く日本一長い砂礫海岸です。
今回訪れた場所すべてが、心・体・魂を癒やす聖地でした。
撮影・取材・文/ともこ
『家庭画報』2022年6月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。