日本の聖地を訪ねて 日本人は古来、自然の中に八百万の神々を見出し大切にしてきた土地柄です。神聖なる力や自然の美しさを感じられる聖地を数秘研究家のともこさんが訪ねます。新時代の開運の縁となりますように。
記事一覧はこちら>>> SuhiLife ともこ数秘研究家・ライフコーチ・コラムニスト。数秘の智慧を生活に生かし、しなやかで心地よい暮らしを送るヒントを伝えている。個人セッションのほか、カルチャースクールでの講義も行い、人気を集めている。初となる著書『誕生日が教えてくれる本当のあなた』(世界文化社)が絶賛発売中。第4回 天地を結ぶ癒やしの道・熊野巡礼
熊野の深い自然に抱かれ、いにしえ人が魂の再生を願った、癒やしの道「熊野古道」。2004年にユネスコ世界遺産に登録された、神が御座す聖域「熊野三山」へと通ずる道を辿りました。
那智山青岸渡寺の山門には、「初めから終わり」を意味する“阿吽”ではなく“阿形”の姿で口を開いた2体の狛犬が。甦りを意味しているという。まず訪れたのは、「熊野那智大社」と西国第一番札所である「那智山青岸渡寺」。神社と寺院が隣接する、神仏習合時代の名残を残した熊野信仰の中心地には、ほかとは違う神聖な空気が流れています。
落差133メートルもある那智の滝。約1300年も前から滝行が行われてきた。別宮「飛瀧(ひろう)神社」まで足を延ばし、日本三名瀑のひとつとされる、ご神体の「那智の滝」を拝み、心身を清めて次なる地へと向かいます。
切り立った崖の上に佇む神倉神社。社殿の下にある広場からは、和歌山県新宮市市街地を見渡せる。次に訪れた「熊野速玉大社」の摂社「神倉神社」は、熊野三山に祀られる神々が降り立った熊野信仰の始まりの地とされています。
538段の険しい石段を登った先にあるご神体の「ゴトビキ岩」。その姿は、息をのむほど神々しく、眼下に広がる絶景も圧巻です。
熊野三山のひとつ、熊野本宮大社の神門。ここをくぐると檜皮葺(ひわだぶ)きの荘厳な御本殿が現れる。巡礼の最後は、「熊野本宮大社」と「玉置神社」へ。天地を結ぶ霊峰・玉置山の山頂近くに鎮座する玉置神社は「神様に呼ばれないと辿り着けない」といわれる特別な場所。
玉石社へ続く道の途中に見つけた龍の形をした木の枝。龍神伝説のある地で、その気配を感じた。山中の「玉石社」には、修験道の開祖・役小角や空海が霊験のある珠を埋めたという言い伝えもあります。
その、関西屈指のパワースポットに辿り着くと、どこからともなく「おかえりなさい」と声が聴こえてきた気がしました。
威厳に満ちた雰囲気でありながらも優しく、心の奥深くで懐かしさを感じられる聖地......まさに、魂の癒やしを体験した巡礼となりました。
撮影・取材・文/ともこ
『家庭画報』2022年7月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。