日本の聖地を訪ねて 日本人は古来、自然の中に八百万の神々を見出し大切にしてきた土地柄です。神聖なる力や自然の美しさを感じられる聖地を数秘研究家のともこさんが訪ねます。新時代の開運の縁となりますように。
記事一覧はこちら>>> SuhiLife ともこ数秘研究家・ライフコーチ・コラムニスト。数秘の智慧を生活に生かし、しなやかで心地よい暮らしを送るヒントを伝えている。個人セッションのほか、カルチャースクールでの講義も行い、人気を集めている。初となる著書『誕生日が教えてくれる本当のあなた』(世界文化社)が絶賛発売中。第5回 奇跡の清流・仁淀ブルーに魅せられて
今回訪れたのは四国・高知県。日本最後の清流といわれる四万十川をはじめ、四国山地に源を発する水の聖地です。
太平洋に突き出た室戸岬では、日の出から日の入りまでダイナミックな海の景観を堪能することができる。最初に向かったのは四国で唯一「ユネスコ世界ジオパーク」に認定されている室戸岬。青年時代の弘法大師が開眼した場所とされる御厨人窟(みくろど)や四国八十八か所霊場・第二十四番札所最御崎寺(ほつみさきじ)なども見ることができます。
若き日の空海が修行をした場所と伝えられる御厨人窟の中から外を望む。ここから見える空と海だけの景色に感銘を受けて、「空海」と名乗るようになったといわれている。旅の途中、土佐湾の風光明媚な美しさに何度も足を止めては眺めていましたが、特に横浪黒潮ラインから見た絶景の圧倒的なパワーは、今まで感じたことがないほど強いものでした。
海から入るように作られた鳴無(おとなし)神社の鳥居と参道。そして、奇跡の清流・仁淀川へ。川の名が知られるようになったのは、抜群の透明度と神秘的な青の世界から生み出される「仁淀ブルー」の美しさに魅了される人々が増えたからです。
その色は青、青緑、天色(あまいろ)、浅葱色......時間帯によっても違うといわれますが、見る人の気持ちによっても変わってくるのではないかと思います。
仁淀川支流の枝川川にある「にこ淵」。一年を通してさまざまな青を見ることができる。「にこ淵」は仁淀ブルーを代表するスポットですが、地元の人にとって“神聖な場所”であり、大蛇伝説が残るこの聖地を訪れる際は、節度を持って、マナーを守らなければなりません。
土佐神社の境内にある「礫石」は古代、磐座(いわくら=神が宿る岩石)として祀られたものと考えられている。土佐の旅の最後には、感動の出会いが待っていました。場所は土佐の総鎮守・土佐神社。
地元では「しなね様」と親しまれ、本殿から少し奥まったところにある「礫石(つぶていし)」は特にパワーが強いといわれ、散策コースにある「志那祢(しなね)の森」とともに、いにしえの人々の祈りに触れることのできる聖地となっています。
撮影・取材・文/ともこ
『家庭画報』2022年8月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。