この秋、京都で静かに心を調える
【間接の美――映り込む自然(もみじ)を感じる】じかではなく間接的に見たほうが、多くのこと、本物が見えるということがある。京都・岩倉にひっそりと佇む門跡寺院・実相院。「滝の間」の黒塗りの床に映るもみじは、実際より多くのことを私たちに感じさせる。実相院は、2022年10月17日配信予定の第30回または『家庭画報2022年10月号』62ページで詳しく紹介します。写真/中田 昭実相院
床もみじ
コロナ終息への道筋が見えず、閉塞感が漂う中、私たちの心は、いまだ大いにざわついているように思います。
デジタル化、スピード化、そして働き方改革が進み、一見、物理的な時間として「休み」は増えていますが、私たちの心は、本当に休めているといえるのでしょうか。一日24時間、休日も含めて、SNSやメールを受動的に受け、それに対してスピーディな反応を求められ、むしろ心をすり減らしてはいないでしょうか。スピード優先、効率重視の時代にあって、今、私たちは、頭を整理する時間が決定的に不足しているように思います。
今、静かに心を調えるために――長い悠久の時間軸の中で築き上げられ、揺るぎのない本物の文化を誇る京都に出かけました。今特集では、京都の真髄にじかに触れ、体感することで、ものの見方、ものの捉え方、ひいては普段の生活、これからの生き方を変えることをテーマとしました。
単なる「seeing」(観光)ではなく、「doing」(体験・実践)へ。そしてさらに日常生活や生き方に通じる「being」へ。あなたを変える、京都へご案内します。
※特集「京都で新体験」では、30回に渡って順次記事を配信予定です。
〔特集〕「心を調える」秋 京都で新体験
01
京都で新体験
この特集の掲載号
『家庭画報』2022年10月号
『家庭画報』2022年10月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。