干支のうさぎが神使とされる宮崎県の鵜戸神宮。愛らしい張り子のうさぎが神社巡りへご案内。背景は末社「鵜戸稲荷神社」の鳥居。神話の舞台
高千穂・国見ヶ丘(宮崎県)
建磐龍命(たていわたつのみこと)が国見をした丘神武天皇の孫にあたる建磐龍命が、九州統治の際に国見をしたと伝わる宮崎県高千穂町にある国見ヶ丘。標高513メートルながら秋から初冬にかけての雲海シーズンは、神話の舞台を彷彿させる神秘的な景色に出会えることも。写真/imajin・PIXTA(ピクスタ)新しい一年の始まりに開運祈願。日本の神様を訪ねて、古事記絶景を巡る
日本の神様とは一体、何なのか。日本は「八百万(やおよろず)の神」の国。多くの神々が存在しますが、大きく3つに分けることができます。
1つは『古事記』や『日本書紀』といった日本神話に登場する神様。2つ目は、実在した人物を祭神として祀る人物神。そして3つ目は民間信仰で自然発生的に生まれた民俗神。
今回、家庭画報の本特集が巡るのは、712年に編纂された日本最古の歴史書『古事記』に由来する神々をお祀りする神社。国の創成に関わる日本の原点ともいえる場所であり、神秘的な景観を併せ持つ信仰の聖地でもあります。
専門家によれば、『古事記』において最も大切なことは、終末がないということだそうです。例えば伊邪那岐命(いざなぎのみこと)と伊邪那美命(いざなみのみこと)の会話では、人口は永遠に増えることになっており、世の中に終わりがないことを示唆しています。このことはどんな困難・苦労があろうとも、人間は次の段階に行けるという、根源的な希望を物語っています。他国にある終末論的な思想とは、完全に一線を画するところです。
古来、巨岩、奇石や洞窟、神木、山などの自然物に神様は依りつくとされ、神社はその神聖な依代を起源とします。それゆえ古社は、絶景や奇観を伴うことが多いのかもしれません。2023年の開運を祈願し、日本の神様を感じるために、絶景の神社巡りに出かけたいと思います。