日本の聖地を訪ねて 日本人は古来、自然の中に八百万の神々を見出し大切にしてきた土地柄です。神聖なる力や自然の美しさを感じられる聖地を数秘研究家のともこさんが訪ねます。新時代の開運の縁となりますように。
記事一覧はこちら>>> SuhiLife ともこ数秘研究家・ライフコーチ・コラムニスト。数秘の智慧を生活に生かし、しなやかで心地よい暮らしを送るヒントを伝えている。個人セッションのほか、カルチャースクールでの講義も行い、人気を集めている。初となる著書『誕生日が教えてくれる本当のあなた』(世界文化社)が絶賛発売中。第10回 神秘とミステリーに出会う聖地 阿波国・剣山
江戸時代より約400年続く阿波踊りが有名な徳島県。阿波藍(あわあい)・阿波人形浄瑠璃なども阿波文化として知られています。今回は古代ミステリーともいわれる、神秘的な氣が溢れる地を訪れました。
食物の偉大な女神、大宜都比売神を祀る上一宮大粟神社。最初に向かったのは、大宜都比売神(おおげつひめのかみ)の唯一無二の本宮、上一宮大粟神社(かみいちのみやおおあわじんじゃ)。『古事記』に「大宜都比売は阿波の女神である」と書かれているように、阿波国・徳島県にとって特別な神様です。
随神門を抜け石段を一段ずつ進んでいくと、大粟山を背にした拝殿が姿を現し、神秘的な美しい光景が広がります。
剣山の中腹に鎮座する大劔神社。神社近くには名水百選に選ばれた「剣山御神水(つるぎさんおしきみず)」、別名「若返りの水」が流れている。そして、高峰・剣山(つるぎさん)へ。晴れ渡る青空の下、大劔神社に立ち寄りました。パワーを感じるこちらの神社は柱にも書かれている、「天地一切の悪縁を断ち現世最高の良縁を結ぶ」という言葉どおりのスポットとして有名です。
西日本で2番目に高い標高1955メートルの剣山山頂で巨大な岩石が祀られる劔山本宮宝蔵石神社。太陽の光と大自然が織りなす山頂からの景色はまさに絶景で、悠久の時の流れを感じながら、地球のエネルギーをしっかり受け取りました。
剣山の名の由来にかかわる劔山本宮宝蔵石神社(つるぎさんほんぐうほうぞうせきじんじゃ)の裏には、3メートルもの巨大な磐座(いわくら)があり、謎多き存在としてさまざまな説があります。
石垣が長方形状に囲郭する異形の祠の磐境神明神社。謎多き......といえば、全国でも珍しい石室造りの磐境神明神社(いわさかしんめいじんじゃ)です。130段の石段を上った先には、静寂の世界が広がり、この聖域の姿が古代ユダヤの祭祀場に似ているといわれています。
鳴門市の天然記念物に指定されている阿波国一宮大麻比古神社の御神木、クスノキ。お遍路のスタート地点である阿波国には、神秘とミステリーに出会える聖地がありました。
撮影・取材・文/磨雲木(ともこ)
『家庭画報』2023年1月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。