日本の聖地を訪ねて 日本人は古来、自然の中に八百万の神々を見出し大切にしてきました。神聖なる力や自然の美しさを感じられる聖地を数秘研究家のともこさんが訪ねます。新時代の開運の縁となりますように。
記事一覧はこちら>>> ともこ(磨雲木)数秘研究家・ライフコーチ・コラムニスト。数秘の智慧を生活に生かし、しなやかで心地よい暮らしを送るヒントを伝えている。個人セッションのほか、カルチャースクールでの講義も行い、人気を集めている。初となる著書『誕生日が教えてくれる本当のあなた』(世界文化社)が絶賛発売中。第12回 地球の記憶が息づく聖地 隠岐諸島
ユネスコ世界ジオパークとして知られる隠岐諸島は、約180の島々と4つの有人島があり、「島前」と「島後」に分かれています。
また古事記冒頭の国生み神話でイザナギとイザナミが淡路島、四国についで3番目に生んだ島「隠伎之三子島(おきのみつごのしま)」(現在の隠岐諸島)とされています。
1939年の後鳥羽天皇の700年祭の年に、御神徳をひろめるために創建された隠岐神社。最大の島である島後(隠岐の島町)で車を走らせ最初に感じたのは、島全体が「きれいである」ということでした。
隠岐島前の最高峰、西ノ島町の焼火山中腹にある焼火神社。まるで異空間に来たかのようなクリアな氣で満ちている......隠岐諸島はかつてユーラシア大陸の一部で、分離後、火山活動によって海底から現れ、長い年月をかけて地形が変化し生み出された島の成り立ちを知るとその理由がわかりました。
樹高約38.5メートル、樹齢約600年のかぶら杉。根本付近から6本の幹に分かれている。かぶら杉や岩倉の乳房杉など神秘的な雰囲気が漂う古杉や、荒波が創り出したダイナミックな浸食海岸など、地球の活動がよくわかる地質が守られる一方、出会う人々は穏やかで、近年では若者の移住者が増えていることでも有名です。
知夫里島のシンボルのひとつ、赤壁。夕日の時間は海に赤色が映えるドラマティックな景観に。島前と呼ばれる西ノ島(西ノ島町)・中ノ島(海士町)・知夫里島(ちぶりじま、知夫村)は、全体がカルデラ地形をしており、外輪山としての島々、カルデラとしての内海、中央火口丘の焼火山(たくびやま)からなります。
これら全てを一望できる赤ハゲ山展望台(知夫里島)へは放牧地帯を通るため、間近で牛たちを見ることができます。のんびりとした時間に、「地球と共に居る」すばらしさを誰もが感じることでしょう。
海抜257メートルの大絶壁、摩天崖(まてんがい)で馬がのんびりと草を食べている姿。神の宿る島・隠岐諸島には、地球の記憶が息づく聖地がありました。
撮影・取材・文/磨雲木(ともこ)
『家庭画報』2023年3月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。