日本の聖地を訪ねて 日本人は古来、自然の中に八百万の神々を見出し大切にしてきました。神聖なる力や自然の美しさを感じられる聖地を数秘研究家のともこさんが訪ねます。新時代の開運の縁となりますように。
記事一覧はこちら>>> ともこ(磨雲木)数秘研究家・ライフコーチ・コラムニスト。数秘の智慧を生活に生かし、しなやかで心地よい暮らしを送るヒントを伝えている。個人セッションのほか、カルチャースクールでの講義も行い、人気を集めている。初となる著書『誕生日が教えてくれる本当のあなた』(世界文化社)が絶賛発売中。第13回 縄文の杜と南薩摩の聖地を巡る
神聖な空気や活火山・桜島のエネルギーが満ちる鹿児島。今回はかつて大隅国といわれた県東部の霧島市・曽於市(そおし)からスタートし、薩摩国といわれた西部の聖地を訪ねました。
霧島市にある温泉水が流れ落ちる丸尾滝(まるおのたき)。曽於市財部町(たからべちょう)の山間部にある溝ノ口洞穴。大規模な天然の洞穴は南九州独特の自然環境が生み出したもの。薩摩半島を南下し、九州最大のカルデラ湖である池田湖を過ぎると、薩摩国一の宮・枚聞(ひらきき)神社が見えてきます。
交通・航海の安全や、漁業守護の神として人々の信仰を集める枚聞神社。優雅な佇まいの朱塗りの社殿は木々の緑に映えて美しく、南薩摩地方一帯の総氏神として大勢の参拝客で賑わいます。
ご神体は薩摩富士として有名な開聞岳(かいもんだけ)。『枚聞神社由緒記』によると、開聞岳は昔鴨着島(かもづくしま)と称する竜宮界であったとされています(竜宮伝説)。
神社の宝物殿では松梅蒔絵櫛笥(まつうめまきえくしげ、別名「玉手箱」)を拝観することができ、おとぎ話『浦島太郎』とのつながりにロマンを感じました。
さらに日本百名山に選定されている開聞岳の絶景が見られる観光スポットが薩摩半島の最南端・長崎鼻です。
竜宮城を思わせる社殿が印象的な龍宮神社。竜宮伝説発祥の地といわれ、豊玉姫(とよたまひめ、乙姫)をご祭神とする龍宮神社が鎮座し、貝殻祈願で有名な縁結びのパワースポット。赤いハイビスカスが咲き誇り、南国ムード漂う爽やかな景勝地となっています。
一方、鹿児島県の北西部に位置する出水(いずみ)市には薩摩国二の宮・加紫久利(かしくり)神社があります。
日本最大の鶴の渡来地である出水市にある加紫久利神社。ご神体・加紫久利山の麓では縄文時代や古墳時代の遺跡や遺構、当時の人々が生活していた竪穴住居なども発見されています。
今回訪れた南薩摩の地には、体の中から力が湧く再生と浄化のエネルギーが満ちていました。
撮影・取材・文/磨雲木(ともこ)
『家庭画報』2023年4月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。