四季折々の自然が美しい嵐山にあり、深い色合いをたたえた保津川沿いに建つ「翠嵐 ラグジュアリーコレクションホテル 京都」。全39室という限られた顧客のためのホテルですが、温泉を擁する客室での滞在はもちろん、美食をお目当てにしたゲストも増え続けています。
1899年に建てられ、財閥創始者の別荘として歴史を刻んできた日本建築の一角にある鉄板焼「観山」は、わずか4席のみという特別な空間。こちらでは京料理や和食、そしてフレンチのエッセンスがちりばめられた、新しいアプローチの鉄板焼きがいただけます。
「観山」のある建物は、築100年以上の趣ある日本建築。例えば、繊細な鱧はうまみを逃がさぬように薄くころもをまとったムニエルにし、相性のよい梅肉とトマトを合わせたソースを添えて。3大和牛の中でも特別感のある近江牛は、自家製の醗酵マスタードやポン酢ジュレといった多彩な薬味や調味料を添え、梅肉とわさびを合わせる食べ方なども提案。
「車海老と鱧のソテー トマトと梅肉のアンティポワーズを添えて」。耐熱性の高いオリジナルのガラスの器を用意し、鉄板で温めた器に焼きたての料理を盛ってサーブ。見た目にもイノベーティブな趣を添える。コースメニューの1品として提供される焼き野菜には、アンチョビの代わりに稚鮎を丸ごと使ったリッチなバーニャカウダソースを。フランスの三つ星レストランで約10年の経験を積んだ松勢良夫総料理長ならではの自由な発想が広がります。
稚鮎を使い、独特の香りを生かして仕上げたソースの味わいに魅了される、温かな「鮎のバーニャカウダと季節の野菜」。ワインはもちろん、京都ならではの日本酒を合わせながら、目の前で仕上げられる目にも鮮やかな美味をいただけば、至福のひとときとなることでしょう。
Information
翠嵐 ラグジュアリー コレクションホテル 京都
京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町12
- 鉄板焼「観山」 TEL:075-872-1555 営業時間:11時30分~14時30分LO、17時30分~21時LO ランチコース1万円、ディナーコース2万5000円~(いずれも税・サービス料別)
ホテル特集2018夏 贅を尽くした 日本のホテルで夏の美味を楽しむ
撮影/鍋島徳恭 構成・取材・文/鈴木糸子
「家庭画報」2018年7月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。