「京の温所 御幸町夷川」を訪れた料理研究家の大原千鶴さん。街並みにしっとりなじむ表門をくぐると建物があり、スマートキーで入出ができる。京町家で暮らすように、古都を旅してみませんか?
現在、京都市内に3棟がオープンしている
「京の温所(おんどころ)」。建物はどれも長年住居として利用されてきた個人宅。持ち主がいずれまた暮らすことを前提にしているので、一棟ごとに趣は異なり、未来に引き継ぎ、伝統を守る形でリノベーションされています。
その中の一棟「京の温所 御幸町夷川」を、京都に暮らす料理研究家、大原千鶴さんと訪れました。
キッチン&ダイニングからは庭を一望。宿泊プランも充実し、宇治の老舗「堀井七茗園」の抹茶「奥の山」がセットになったプランも。大原千鶴(おおはら・ちづる)料理研究家。京都・花脊の料理旅館「美山荘」に生まれ、小学生の頃から実家のまかないを担当。家庭料理の大切さを伝えることを旨とし、テレビ、雑誌で活躍。小社刊に『家族が好きな和のおかず』、『大原千鶴の酒肴になる「おとな鍋」』。第3回京都和食文化賞受賞。今、人気の御所南エリアにオープンした「京の温所 御幸町夷川」
「京の温所 御幸町夷川」は約90年前に建てられた京町家。隠居したら好きな茶道をまた楽しみたいという持ち主の祖父の想いをくみ、茶室の趣を残しつつ今の生活環境に沿うようにリノベーションしています。
「美しくて、快適、そして京都の暮らしが感じられる空間ですね。キッチンやお風呂などの水回りは、今の暮らしに合うように快適に作られていて、でも住んでいた方が大切にしておられるものはきちんと残されています。雪見障子や昔のままの天井や柱のある和室はホッとでき、温かい気持ちにしてくれます」と、大原さん。
和室「オモテノマ」でくつろぐ大原さん。古い建具をそのまま残した、読書やお茶が楽しめる空間。京都暮らしを豊かに彩る“飲む”“食べる”を楽しむ空間
1階には使い勝手がよいカウンターキッチンと掘りごたつのあるダイニング、書籍を並べた和室、端正なつくりの坪庭を一望する浴室があり、2階には寝室が1室。キッチンには最新の設備とツール、浴室には厳選したバスアイテムを用意するなど、日常に必要なものを完備しています。
さらに、和室や寝室はデザインや機能性を取り入れつつも、もともとある数寄屋造りの意匠を生かし、昔ながらの暮らしのエッセンスや日本建築の美しさを残しています。
冷暖房の設備も整い、床暖房もあるので冬でも温かく、夏は快適。坪庭の緑を楽しみながら、ほっこりゆっくり過ごせそうです。
京町家のかまど「おくどさん」があったところに位置する吹き抜けを生かした開放的なキッチンと、掘りごたつのあるダイニング。料理を作ったり、お茶を淹れて楽しめるよう、キッチンツールや食器も完備。温所を拠点に町を巡り、京都の日常の暮らしを体験
町家があるエリアは御所南と呼ばれる、京都の人たちの間でも人気のスポット。御所や鴨川、繁華街や観光地も徒歩圏内で、昔ながらの街並みを残す生活エリアです。
「このあたりは、古くからの食料品やお茶、骨董、文具、家具のお店などが集まる生活するのにとても便利なエリアです。最近はおしゃれなケーキ屋さんやレストラン、人気の居酒屋さんやお蕎麦屋さんも増えていて、散策するだけで楽しく、私も大好きなエリアです」
なかには大原さんご贔屓のお店もあって、街歩きの楽しみは事欠きません。
今まで知らなかった京都の日常がいろいろな形で体験できそうです。
2階の寝室のベッドはソフトで快適な寝心地のシモンズのマットレスを使用。厳選した敷布団と羽毛布団がふんわりと優しく包み込んでくれ、ぐっすりとやすめる。京の温所 御幸町夷川(ごこうまちえびすがわ)京都府京都市中京区御幸町通夷川上る松本町574
チェックイン/16時~ チェックアウト/11時
※「ワコールスタディホール京都」と同じワコール新京都ビル1階にある「京の温所受付フロント」での受付は10時~17時。スーツケースなどの荷物のお預かり、運搬サービス有。宿の入出はスマートキーで行い、チェックアウトは不要。
定員/最大4名
料金/1棟5万円~10万円(税別)
お問い合わせ先/ワコールお客様センター
フリーダイヤル0120-307-056
(9時30分~17時、土曜・日曜・祝日、年末年始をのぞく)
※「京の温所」は、ワコールが2018年にスタートした新事業。「ひとつの旅が暮らしの深呼吸のように感じられるひととき」をコンセプトにする、京町家を宿泊施設として一棟貸しするプロジェクト。