リニューアルのため、2017年6月に一時閉館した藤田美術館。今回は建て替えを待つばかりの旧展示室で、家庭画報のためだけに特別に行われた最後の誌上展覧会をお届けします。前回の記事は
こちらから「美術品が素直に生きる展示室でした」―戸田貴士さん
展示準備。国宝「曜変天目茶碗(ようへんてんもくちゃわん)」を展示ケースに配置する藤田館長の傍らを通り、戸田商店 代表取締役副社長 戸田さんが国宝「両部大経感得図」を運び入れている。国宝「曜変天目茶碗(ようへんてんもくちゃわん)」
中国・南宋時代 12〜13世紀世界に3碗のみ現存し、いずれも日本国内にあって国宝に指定されているもののうちの一つ。曜変と呼ばれる瑠璃色の斑紋が、見込みだけでなく、外側にも煌めいている。
土見せの小ぶりな削り高台の周辺には、ぽってりと厚い釉溜まりが見える。今回、特別に撮影させていただいた。
戸田商店
戸田貴士さん1981年、谷松屋一玄庵の12代目、戸田 博氏の長男として大阪に生まれる。3年間のフランス留学を経て、2003年に江戸時代から続く茶道具商谷松屋戸田商店に入社。現在は同社の代表取締役副社長。