軽井沢で涼を楽しむ 第7回(全9回) 明治時代から避暑地として愛されてきた標高1000メートルの高原の町、軽井沢。北陸新幹線の開通で日本各地からアクセスしやすくなったことで、さらなる注目を集めています。軽井沢に魅了されたかたがたの素敵なライフスタイルを紹介しながら、この夏、涼を求めて訪れたいホテルやレストラン、愛犬とともに楽しめるスポットへご案内します。
前回の記事はこちら>> みずみずしい高原野菜に、豆類、川魚など、軽井沢の夏は、おいしい食材の宝箱です。緑陰が涼やかなレストランで、伝統ある避暑地の風格を感じるひとときをお楽しみください。
涼を感じる話題のレストラン
エネコ軽井澤
スペイン産コチニーニョ(仔豚)を使ったメイン「仔豚のフリット バジルのエマルション」。スプーンに盛られているのは「有機卵とトリュフ」で、オーダーはオプションにて受ける。スペイン・バスク地方の三つ星レストラン「アスルメンディ」のシェフであるエネコ・アチャ・アスルメンディ氏が監修する「
エネコ東京」。その軽井沢店が、2019年8月末まで期間限定でオープンしています。
場所は、雲場池から程近い「ヴィラ・デ・マリアージュ 軽井澤」内。扉を開ければ、白樺と苔のオブジェが中央に構えるグリーンハウスへつながり、そこでまず「ピクニック」をするのがエネコ流です。
ピクニックのバスケット。オレンジ形フォワグラムース、うなぎとアンチョビーのブリオッシュやパッションフルーツ風味のカイピリーチャなどのフィンガーフードが並ぶ。籐のバスケットに盛り込まれたフィンガーフードをつまみ、食前酒には本店併設のワイナリーで造られたバスク白ワイン・チャコリがお約束。
程よく会話を楽しんだところでダイニングエリアに案内され、コース料理へと続いていきます。
テーブルやいすは、バスク製の家具。また壁は、左官アーティストの久住有生氏が軽井沢の風を表現した。軽井沢で開業するにあたりエネコ・アチャ氏が来日し、近郊の生産者を訪れて見つけた素材も料理に取り入れられています。
前菜の「有機卵とトリュフ」は、上田の地鶏・真田丸の卵を使い、テーブル横でシェフが卵の黄身を注射針で半分吸い取り、温かいトリュフソースを注入する驚きのメニュー。
ほかにも高原野菜や長野県産元来品種の豆など、信州の食材の長所を丹念に捉え、バスク料理と見事に融合させた美味を楽しめます。
エネコ・アチャ氏が長野県を訪れたときに注目した豆を使った温前菜「とら豆とあさりの煮込み」。軽井沢店のみで味わえるひと皿。 Information
エネコ軽井澤
長野県北佐久郡軽井沢町軽井沢雲場2200
- ランチコース5000円、ディナーコース9500円(ともに税・サービス料別)。2019年8月30日までのオープン。
表示価格はすべて税抜きです。
撮影/坂本正行 取材・文/直江磨美
『家庭画報』2019年8月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。