新潟の名ワイナリーの新ホテルへ1泊2日の潜入リポート
上質なワインを産出するワイナリーは、今や日本各地に多数ありますが、なかでも、宿泊を提案するワイナリーが増えてきていることをご存じですか?
四季の移ろいとともに表情を変えるぶどう畑を前に、テロワール(土地の個性や魅力)が香るワインを美食とともに楽しみ尽くす……。日常を忘れてひたすらにくつろぎに身を委ねるワイナリーステイは、ワインファンの方はもちろん、そうでない方もたちまち魅了される、大人のための贅沢な宿泊スタイルといえるでしょう。
今回ご紹介するのは、2019年11月に開館したばかりの「ワイナリーステイ トラヴィーニュ」。新潟でワインを26年造り続けてきたワイナリー「カーブドッチ」が満を持してオープンしたワイナリーホテルです。こちらだからこそ体験できる至福のひとときを、1泊2日の流れに沿って徹底リポートします。
2階の客室のテラスからの眺め。奥に見えるのは角田山。100%の砂地にあるワイナリー
新潟駅から車で約45分。角田浜と呼ばれる浜辺からわずか300mの場所に、ワイナリー「カーブドッチ」はあります。この地に最初のぶどうの苗が植えられたのは1992年のこと。ワイナリーとしては珍しい100%砂地の土壌を生かした、軽やかで体にすっと染み込んでいくようなワインに定評があります。
朝、昼、夜ととりどりの表情を見せてくれる景色は、一日中眺めていても飽きることがない。広大な敷地にホテルやレストラン、温泉まで
11万平方メートル以上もの広大な敷地の中に、ぶどう畑やレストラン、ショップ、スパが点在しています。「ワインが造り出されるこの地に来てもらい、少しでも長く滞在してワインを楽しんでもらえるように」との思いから、少しずつ施設が増やされてきました。
ホテルのエントランス。白壁に、あえて酸化させて風合いを出したファサードが目を引く。そして、このたびオープンしたのが「ワイナリーステイ トラヴィーニュ」。「ぶどう畑を抜けて」を意味する名前のとおり、はるかまで広がるぶどう畑に面して、コロニアル様式を思わせるたたずまいの、3階建てのこぢんまりしたホテルが建っています。
エントランスで出迎えてくれるオブジェ。ウェルカムドリンクのスパークリングにほっと一息
まずはチェックインへ。エントランスを抜けロビーに入ると、ガラス張りのテラスの向こうに、一面のぶどう畑が広がるのが目に飛び込んできます。ロビーの中でもチェックイン可能ですが、天気がよければテラスでするのがおすすめです。青空の下に広がるぶどう畑を眺めながらウェルカムドリンクで喉を潤せば、これから始まるステイへの期待も高まります。
ウェルカムドリンクの「ブラン・ド・ブラン シャルドネ」。細部に感じるこだわり
チェックインを済ませると渡されるのが、ルームキーに、敷地内の様子を示した愛らしいイラストマップ、そしてあたたかみのある革のポシェット。施設内を移動する際に身の回りのものを入れられるように、との心尽くしです。ルームキーのタグに刻印されている愛らしい動物のイラストは、こちらの限定ワイン「どうぶつ」シリーズのエチケットのもの。
動物の刻印が愛らしいルームキーと敷地内の地図、移動時に使えるポシェット。客室は全10室
全10室からなる客室も同様に、シリーズの動物の名前がつけられており、客室の扉にはその動物の足跡や体の一部が描かれているというこだわりぶり。随所に見える心配りに心がほっと和みます。
木を多用したインテリアにぬくもりを感じる。扉には、一角のツノの愛らしいイラストが。