心潤す感動の時間 富士山を望む宿 第3回(最終回) 「一富士、二鷹、三茄子」と伝わるとおり、吉兆の象徴でもある富士山。そんな秀峰の美を堪能できる富士山を望む宿へ、新年の旅行にでかけませんか?客室から、大浴場から、ロビーから。その宿が誇る、眺望のベストスポットとともにご紹介します。
前回の記事はこちら>> 【Part2】海越しに眺める優美な富士
間近に望む迫力ある富士山もいいけれど、遠くから眺める富士の優美な稜線もまた美しいもの。静岡県内から駿河湾越しに富士山を望むことができる3軒の宿をご紹介します。
霊峰の美しい稜線を客室付き露天で独占する
富岳群青─静岡・伊豆市
「海の丘」のリビングから望む、駿河湾越しの富士
広さ130平方㍍を誇る客室「海の丘」。露天風呂に浸かりながら霊峰をいつでも眺めることができる。12月から2月にかけては空気も澄み、富士を望むには絶好の時期となる。夜のコースから、奥のアミューズは駿河湾産赤座海老のマリネ。ビーツコンソメジュレ、トランペット茸のエスプーマ、うにを添えて。手前は駿河湾産ひらめのナージュ仕立て。伊豆産の新鮮な野菜、キャビアといただく。ディナーの皿に満ちる西伊豆の大地と潮の香り─富岳群青
西伊豆の土肥温泉から南へ車で10分ほど、国道から急な坂道を上がったところに佇む8室のみの小さな宿「富岳群青」。
客室はすべて100平方メートル超のスイートタイプ。駿河湾に面したテラスと露天風呂が全室に備えられ、湯に浸かりながら海越しの富士山を思うままに眺めることができます。
「海の丘」には黒革張りのソファが置かれ、その後ろにベッドと畳のスペースがある。全客室4名まで宿泊できる。リビングに置かれたソファや調度品は部屋ごとに異なり、雰囲気も一室ごとに変わるので、好みの部屋を選ぶ楽しみがあります。
リピーターや連泊客も多く、「決まった部屋を指定する人、毎回違う部屋に泊まる人など、思い思いの時間を過ごされているようです」と、支配人の森 雄基さん。
食事は個室でいただくので他のゲストと会うことは少ない。暮れゆく富士山の夕景を眺めた後は、個室のダイニングへ。西伊豆をはじめ静岡県一円でとれる海の幸、山の幸を使い、和のエッセンスを取り入れたフランス料理のコースが楽しめます。
夜のコースから、西伊豆産伊勢海老と駿河湾産うめいろ(沖たかべ)のオーブン焼き。ブイヤベースのソースとともに。「魚は沼津や仁科の漁港から仕入れ、肉料理には静岡県産の黒毛和牛“遠州夢咲”や天城軍鶏(しゃも)を使っています。西伊豆を中心に、静岡産の食材の豊かさを感じていただけたら嬉しい」と洋料理長の須田勝慶さん。
朝食は一転、鉄釜で炊かれたご飯や地魚の風干し、卵焼きなど、和食が用意されます。
客室へと至る回廊に面した池は、夕刻になるとライトアップされる。富岳群青(ふがくぐんじょう)
静岡県伊豆市八木沢2461-1
TEL:0558(99)1111
1室2名利用時、1泊2食付き1名6万7000円~。(税・サービス料込み)
IN15時/OUT12時