“静寂”を味わえる、とっておきの場所へ「秘密の京都」 第5回(全12回) 多くの観光客で賑わう街の喧騒から逃れ、静かに、心豊かに古都の魅力を堪能できる。そんなとっておきの場所が、京都にはまだたくさんあります。非公開の寺院で特別な体験をし、地元のかたが愛する名店の味に舌鼓を打ち、美の新名所で心を潤す......。この春、“秘密の京都”があなたの訪れを待っています。
前回の記事はこちら>> 京都人が認める美味処
「The Hotel Seiryu Kyoto Kiyomizu」の最上階にあるバー「ROOFTOP BAR K36」から京都の景色を楽しむ永松さんと吉岡さん。永松仁美(ながまつ・ひとみ)さん
現代作家の器や西洋骨董を扱うショップ&ギャラリー「昂KYOTO」店主。独自の審美眼に定評があり、「The Hotel Seiryu Kyoto Kiyomizu」のアートコーディネートを担当。吉岡更紗(よしおか・さらさ)さん
京都で200年続く「染司よしおか」6代目。父・吉岡幸雄氏亡き後、工房を継ぎ、染色家としての制作活動を中心に、大学での講義やイベント企画などでも活躍。旅先で、その土地に住み、街を熟知したかたに案内人になってもらうことほど心強いことはありません。京都で常日頃からおいしいものにアンテナを張り巡らせている皆さまに愛してやまない美味処をご案内いただきます。
永松仁美さん、吉岡更紗さんがアテンド
1泊2日で遊びに来た友人を案内するプラン
【1日目】昼夜に備えて軽めに済ます
京都に生まれ育ち、アートや工芸に幼い頃からかかわってきた永松仁美さんと吉岡更紗さんは、公私にわたり親しい間柄。
2人で食事をする機会も多く「お昼はおなかの負担にならず、できる限り時季のものを選びます」(永松さん)。
麺類1つとっても味にも店にもこだわり、「松庵」の「賀茂ねぎそば」は誰からも好評の一品です。
「観光で時間がないかたにはおすしもおすすめです。『いづ重』さんはいろいろ選べて、持ち帰りもできるのでお弁当にも重宝します」(吉岡さん)。
地元の人に交じって“とっておきの味”を気軽に味わえ、ふらりと立ち寄れるのも魅力です。
【そば処 松庵】
近所の農家で採れたねぎで作る冬限定「賀茂ねぎそば」
ほぼ地元の人で賑わうそば処。季節限定のそばを揃え、永松さんが毎年心待ちにしているのが辛み大根入りの「賀茂ねぎそば」(900円)。
ワタが詰まってトロトロのねぎの甘みと大根の香りが際立ち、おつゆは飲み干せるほどあっさりとした味つけです。
そば処 松庵(そばどころ しょうあん)住所:京都市北区西賀茂坊ノ後町16
TEL:075(492)8028
営業時間:11時~15時、17時~20時(金曜~日曜・祝日~21時)(LO)
定休日:第2・第4水曜
【京寿司祇園 いづ重】
祇園街が贔屓にする“味よし姿よし”の京ずし
舌の肥えた祇園のお客さまに育てられたさばずしやいなりなどの京ずしを扱うお店。
具材の多くは100数年前と変わらぬ手作りに徹し、ご飯はかまどを使って薪で炊いています。
「小鯛笹巻寿司」(1250円)、「上箱寿司」(1700円)は彩りよし味わいよしの人気ずしです。持ち帰りも可能。
京寿司祇園 いづ重(きょうずしぎおん いづじゅう)住所:京都市東山区祇園石段下
TEL:075(561)0019
営業時間:10時30分~18時30分(LO)
定休日:水曜
URL:
https://gion-izuju.com/
【The Hotel Seiryu Kyoto Kiyomizu】
旧校舎を活用したヘリテージホテルがオープン
2020年3月22日開業の、昭和初期建築の小学校校舎を保存活用したホテル。
ノスタルジックな外観や建物の意匠を残し、クラシカルな窓や梁を生かした客室、八坂の塔を一望するバーなどを備えています。
元講堂を改装したレストランは「染司よしおか」の“色”のアートワークを設え、1000冊以上の書籍が並ぶ空間。
The Hotel Seiryu Kyoto Kiyomizu(ザ・ホテルせいりゅう きょうときよみず)住所:京都市東山区清水2-204-2
TEL:075(532)1111
URL:
https://www.seiryukiyomizu.com/