フランスとの国境にほど近いスイスのジュラ山脈の奥深く、“妖精の丘”という名のラ・コート・オ・フェ。後に世界にその名を知られることとなるピアジェは、1874年にこの集落で小さな時計工房として生まれました。創業者のジョルジュ・エドワール・ピアジェとその家族は、夏は家畜を牧場に放ち、長い冬の間は時計ムーブメントの製作に携わるという形で事業をスタート。やがてピアジェ家は時計技術者として名声を高め、村の人々の協力のもと、ラ・コート・オ・フェを時計の歴史の舞台へと変えて行ったのです。ピアジェの名を冠した時計が誕生したのは、1940年代のこと。その後も“常に必要以上に良いものをつくる”という哲学を代々受け継ぎながら、ピアジェ家は技術の限界への挑戦を続けます。
ピアジェの時計を語る上でもう一つ、忘れてはならないのが、その美しいデザインです。ダイヤモンドをはじめとする宝石の複雑なセッティングによってピアジェは、時計が単に時を告げる道具ではなく、ラグジュアリーな装飾品であることを世界に知らしめます。こうして宝飾時計の第一人者となったピアジェが世界中の顧客からの要望本格的なジェエリー・コレクションに取り組むようになったのは、とても自然な流れだったのです。