自分らしいスタイルの中に、トレンドを賢く取り入れたい――そんな迷い世代の女性に、スタイリストのおおさわ千春さんが、今季おすすめのアイテムをご紹介するこの連載。第27回は、デイリーに気軽に羽織れて、でもちゃんと洒落て見える、ダウンや中綿素材のコンフォートアウターをご紹介します。
前回の記事はこちら>>第27回 軽やかでお洒落なコンフォートアウター
デイリーに気兼ねなく羽織れる
コンフォタブルなアウターが気分
この数年間、ダウンや中綿のコートはお休みしていた私。年齢を重ねて体型を気にするようになった頃から、もこもこのフォルムが身体を大きく見せるダウンや中綿のコートを敬遠するようになりました。少しでもスレンダーに見えるようにとウールのコートを愛用し、寒い場合は下にダウンベストをレイヤードするのが定番に。
しかし、コロナ禍で気持ちも生活様式も変化したことで、できるだけ軽やかで気兼ねなく着られるものに気持ちが傾き、「久しぶりにダウンが着たいな」と思うようになったのです。先日、久しぶりに今季のダウンコートに袖を通してみたら、近年は素材が劇的に進化しているので軽量なのに暖か、しかも着膨れして見えない計算されたフォルムで、私が愛用していた頃のものとは雲泥の差と言ってもいいくらいで感激!
デザインも洒落ているものが多くて、「今年の冬はダウンを買おう!」という気持ちに拍車がかかりました。今回は、大人のコンフォートアウターといえそうなアイテムをご紹介しますね。
気分転換になりそうな
遊びのあるモノトーンのドット柄
私が「これなら着てみたい!」と思ったダウンがこちら。ダウンの名門「モンクレール」の中でも、クリエイターコラボプロジェクト「モンクレール ジーニアス」から登場したヴェロニカ・レオーニの手による「2 モンクレール 1952 ウーマン」のもの。
パジャマをモチーフにパディングやパイピングを施した、ドット柄のテクニカルシルク製のダウンジャケットは、ふわふわでとにかく着心地が最高。普段、柄ものはあまり着ませんが、これはモノトーンがシックで、こういう遊びのあるアウターを着たらいい気分転換になりそうとひと目で気に入りました。ウエストマークされたジャケットタイプなので、きちんと感があるのもいいですね。
「ドット柄の個性が強いので、合わせるアイテムはブラックに絞るのがシックに着こなす秘訣」。横ステッチがないジャケットタイプで、エレガントにもスポーティにも楽しめます。ジャケット24万3100円 ニット9万9000円 /ともに2 モンクレール 1952 ウーマン パンツ6万7100円/モンクレール(すべてモンクレール ジャパン) バッグ8万3600円/ピエール アルディ(ピエール アルディ 東京) ライニングのプリントがリッチ!
ダウンだからこそ楽しめる赤
赤いコートって、ウールのコートだと気後れしてしまう方も多いと思いますが、スポーティなダウンジャケットなら思いきって楽しめそう。エトロならではのペイズリー柄のライニングがなんとも贅沢な1着をご紹介しましょう。フロントを開けて、ライニングとのコントラストを楽しみながら、大人の余裕を見せつけたくなるダウンジャケットです。
フェミニンな大きめの襟とショート丈が旬のシルエット。「ワイドパンツや、量感のあるギャザーやプリーツのロングスカートなど、柔らかい素材のボトムスを合わせて着ると大人っぽく仕上がります」。ジャケット24万2000円/エトロ(エトロ ジャパン)カジュアルにもきれいめにも
合わせやすい中綿コート
ダウンよりも、もこもこ感が控えめでスポーティな印象が弱まる分、オケージョンの振り幅が広い中綿コート。左は、刈り込んだムートンのような質感のエコファーとエコレザーの襟とのコンビネーションが可愛い。モノトーンなので幅広くいろいろなシーンでのコーディネートを楽しめると思います。右は、ビロードのような質感なので、柔らかい素材のエレガントな装いにも合わせられるのが嬉しい。中綿コート=カジュアルではなく、華やかなスタイルにも映えるのがいいですね。
〈左〉「ワイドパンツにスニーカーのような、大人っぽいカジュアルに合わせて」。胸元に施されたEのロゴ入りのスターモチーフワッペンがアクセント。コート14万3000円/エルマンノ フィレンツェ(ウールン商会)〈右〉ボリュームのある襟の中にはフードが収納されています。「例えば観劇やホテルでのランチなど、華やかな場にも着ていけるデザイン。カジュアルに楽しむときはフードを出して」。ブルゾン6万6000円/エンポリオ アルマーニ(ジョルジオ アルマーニ ジャパン) どうでしょう? 私と同じように、久しぶりにダウンや中綿コートを羽織ってみたくなった方も多いのではないでしょうか?
コンフォートアウターは、いつもよりちょっと派手めなデザインを選ぶと、フレッシュな気持ちになれておすすめです。気持ちも装いも軽やかに、冬のお洒落を楽しみましょう!
●お問い合わせ
モンクレール ジャパン
フリーダイヤル 0120-977-747
ピエール アルディ 東京
電話 03-6721-6809
エトロ ジャパン
電話 03-3406-2655
ジョルジオ アルマーニ ジャパン
電話 03-6274-7070
ウールン商会
電話 03-5771-3513
おおさわ千春/Chiharu Osawa
スタイリスト。
雑誌のほか、映画の衣装デザインや女優のスタイリングなどを幅広く手掛ける。着る人に合わせた的確なスタイリングやアドバイスは、多くの女優からも信頼を得ている。
〔迷い世代の服選び〕40代からのコーディネートに必要なトレンドアイテム
表示価格はすべて税込みです。 撮影/大見謝星斗 編集協力/湯澤実和子