自分らしいスタイルの中に、トレンドを賢く取り入れたい――そんな迷い世代の女性に、スタイリストのおおさわ千春さんが、今季おすすめのアイテムをご紹介するこの連載。第31回は、上からコートを着ても美しくキマる、リラックスした着心地のジャケットを特集します。
前回の記事はこちら>>第31回 コートを着る日の、リラックスジャケット
きちんと感はキープしつつ
快適な着心地のジャケットを
いよいよ本格的にコートの季節になりましたね。ジャケット好きの私ですが、上からコートを着ることを考えると、どのジャケットでもいいというわけにはいきません。肩パッドが入ったジャケットでは、ショルダーが大きくアンバランスに見えますし、素材によっては、堅苦しくて疲れてしまいます。
今回は、きちんと感はキープしつつ、コートを着てもリラックスできるジャケットをチョイスしました。上からコートを着ても肩がいかつく見えないニットやジャージーなど、柔らかい着心地のものを選ぶのがポイントです。では具体的に、私のおすすめのジャケットをご紹介しましょう。
名品「バー」ジャケットの
シルエットをニットで
ディオールのアイコンでもある名品「バー」ジャケットをニットで楽しめるのがこちら。きゅっと絞ったウエストと、両サイドのポケットでメリハリのあるシルエットを実現。今回はカジュアルなパンツを合わせましたが、チュールのスカートを合わせればパーティにも行けるエレガントなジャケットです。この上から薄手のダブルフェイスカシミヤのコートや、ダウンコートを合わせても素敵だと思います。
程よい厚みの7ゲージのウールジャケットは、ノーインナーで着ることも可能。「憧れの“バー”ジャケットが、ニットになるなんて。合わせるボトムスでいかようにもアレンジできる幅の広さはさすが」。ニットジャケット47万3000円 ニット16万5000円 パンツ18万1500円 ネックレス13万2000円 バッグ47万3000円 シューズ11万9900円/すべてディオール(クリスチャン ディオール)カーディガン代わりに羽織れる
軽やかな仕立てのノーカラー
ループヤーンのウールを使った一枚仕立てのノーカラージャケット。ざっくりした素材で軽さもあって、カーディガン感覚で楽しめます。インナーやボトムス次第でコンサバにもカジュアルにもイメージを変えられるのが便利です。
Tシャツやタートルのセーターなどとの相性も良く、合わせるインナーを選ばないのも魅力。「デニムを合わせても可愛いと思います。春先まで長く着られるジャケットです」。ジャケット11万3300円 ブラウス8万4700円 パンツ8万4700円 バッグ7万4800円/すべてエンポリオ アルマーニ(ジョルジオ アルマーニ ジャパン)コーディネートしやすい
白とネイビーは持っていると便利
今回ご紹介するにあたり、ニットやジャージーなどの柔らかな素材でもカーディガンではなく、あえてジャケットという形に私がこだわった理由は、きちんと感が演出できるのと、気になるお腹回りを上手に隠してくれるデザインだから。身体が丸みを帯びてきた年齢になったら、ジャケットのほうが身体のフォルムが美しく見えるのでおすすめです。特に、白とネイビーはアウターの色を選ばず、コーディネートしやすいので1着あると便利です。
〈左〉薄く肩パッドが入ったジャージー素材のジャケット。コンパクトなフォルムで、身体に沿う女性的なシルエットです。「トラッドな金ボタンのネイビージャケットに、ダンガリーのボウタイブラウスを合わせた、私好みのコーディネート。今季なら、これにプリーツスカートを合わせるのが気分」。ジャケット4万6200円 デニムブラウス2万6400円/ともにポロ ラルフ ローレン(ラルフ ローレン) 〈右〉ゆとりのあるビッグシルエットのニットジャケット。「ワンピースにさらっと羽織ってもいいし、細身のパンツに合わせても素敵。冬の白って、やっぱり特別。何を合わせても上品な清潔感が出ると思います」。ジャケット7万4800円 ニット6万1600円/ともにリビアナ コンティ(グルッポタナカ)今回ご紹介したコンフォートジャケットは、形がしっかりある布帛のジャケットに比べると、柔らかい素材な分、シルエットの補正力は弱くなります。フロントボタンを留めると身体の厚みやお腹のでっぱりが目立つので、ボタンは留めずに、スカーフを使用して縦のラインを強調すると美しく映えるので試してみて。コートを脱いでも綺麗なスタイルを目指して、冬のお洒落を楽しみましょうね。
●お問い合わせ
クリスチャン ディオール
フリーダイヤル 0120-02-1947
ジョルジオ アルマーニ ジャパン
電話 03-6274-7070
ラルフ ローレン
フリーダイヤル 0120-3274-20
グルッポタナカ
フリーダイヤル 0120-135-015
おおさわ千春/Chiharu Osawa
スタイリスト。
雑誌のほか、映画の衣装デザインや女優のスタイリングなどを幅広く手掛ける。着る人に合わせた的確なスタイリングやアドバイスは、多くの女優からも信頼を得ている。
〔迷い世代の服選び〕40代からのコーディネートに必要なトレンドアイテム
表示価格はすべて税込みです。 撮影/大見謝星斗 編集協力/湯澤実和子