コシノジュンコ大阪府岸和田市生まれ。デザイナー。文化服装学院在学中の1960年「装苑賞」受賞。1978年から22年間パリコレクションに参加したほか、北京、キューバ、ポーランドなどでショーを開催。国内被災地への復興支援活動も行う。JUNKO KOSHINOのイベント企画は代表で夫の鈴木弘之さんや息子の順之さんの担当。2017年文化功労者に選出される。2021年レジオン・ドヌール勲章シュヴァリエ受章。世界が認めるその存在──
原点から現点へ、心を動かすデザイン力
ジュンコさんが描いたアートがプリントされたシルクのジョーゼット。ふわりと風になびく柔らかさと光に透ける質感で着心地も抜群です。横に並ぶアートはジュンコさんの作品。羽織シルクジョーゼット26万4000円 ロングドレス30万8000円/ともにJUNKO KOSHINO「この前、南青山の本店前のガーデンテラスで初めてショーを行ってみたんです。この場でお店をオープンしてから20年も経つ今頃になってひらめいたの」と、楽しそうに語るコシノジュンコさん。
結婚、出産と人生の局面が変化するごとに新境地を開拓していったジュンコさんに、大切にしてきたことを今改めてお尋ねしてみたところ、「やったことがないことをするのが好き。そうじゃないと自分に感動がないでしょ。心が動くことこそ、ものごとが進む一番の原動力ですから」。
今回、ジュンコさんが描き下ろしたデッサン。美術部で培った画力が光ります。1978年のパリコレクション初参加、1985年中国・北京、1990年アメリカ・ニューヨークのメトロポリタン美術館、1996年キューバ、2004年の羽田空港第2旅客ターミナルでのオープン記念ショーなど、心躍る驚きのファッションイベントを数多く開催。歴史の扉を開いてきました。
そして2021年5月、世界のファッション界への貢献と卓越した業績が評価され、フランスの国家勲章であるレジオン・ドヌール勲章シュヴァリエを受章。その情熱と好奇心はますますパワーアップしています。
2021年5月、フランス政府よりレジオン・ドヌール勲章シュヴァリエ受章。写真は2022年6月末開催の記念パーティより。撮影/家庭画報本誌・西山 航記念パーティでは、料理のコースからテーブル演出まで自らプロデュース。進行役も務めて、ジュンココシノワールド満載の和やかな会となりました。撮影/家庭画報本誌・西山 航引き算で仕立てられたデザイン
今回のショーでお披露目された服から見えてきたのは、ものが溢れている時代を意識して引き算で仕立てられたデザイン。
裾にあしらわれたファーがアクセントになっていることで、黒でも重くなりません。歩くたび、軽やかな印象に。コート47万3000円 ワンピース14万8500円 手袋(参考商品) サテンロングブーツ9万3500円/すべてJUNKO KOSHINO「流行にとらわれない、賞味期限のない服」というジュンコさん従来のコンセプトはそのままに、オリジナリティ溢れるアート感、日々のお出かけを後押ししてくれそうな服の力に魅了されます。
ジュンコさん自ら、着こなしを披露してくださいました。鮮やかなグリーンが映えるエレガントな装い。右・キルティングショートジャケット29万1500円 ワンピース18万1500円 手袋(参考商品) クロコダイルバッグ52万8000円 ブーツは上写真と同じ ジュンコさん・ワンピース14万8500円 アートストール8万4700円/すべてJUNKO KOSHINO