アニエールのファミリーハウスに飾られた、ヤン・ペイ=ミン作の若きルイの肖像画。ルイは、従来の概念を捨て、軽くて実用的な平型トランクを最初に製造し大成功を収めた。真髄~ESSENCE
何事にも置き換えられない、ストーリーにこそ価値がある
〔ゆるやかな時間が流れるファミリーハウスの庭先で〕創業者ルイ・ヴィトンがアトリエ兼住居としていた、パリ郊外、アニエールの家のテラス。ヴィトン一家は、きっとこの庭先で陽光を浴びながら、談笑したのではないだろうか。「ルイ・ヴィトン」の物語は、1835年、14歳のルイ少年がスイスとの国境沿いのジュラ地方から一人旅立った時に始まります。
2年もの歳月をかけてパリに到着した少年、ルイ・ヴィトン。
荷造り用木箱製造兼荷造り職人見習いになり、その後、17年間、真摯に技術と経験を積みかさね、1854年、オペラ座至近の現カプシーヌ通りに1号店を開店。ルイ・ヴィトンのラゲージは瞬く間に、世界中から人気を集めることになりました。
その成功を導いたのは、創業者の飽くなき努力による高い技術と、類いまれなる革新性と創造力、そして時代を読む力。
それらは、2代目ジョルジュ、3代目ガストン‒ルイへと受け継がれ、クリエイションの中に息づき、進化をしてきたのです。
何事にも置き換えがきかない、唯一無二の世界観と物語、それこそが、ルイ・ヴィトンの価値、真髄といえるのではないでしょうか。
その物語は、今もなお、時代の先端を行くさらなる章を脈々と紡ぎ継いでいるのです。