人生を彩る時計メゾン 「ピアジェ」 世界有数のハイジュエラーして知られる「ピアジェ」は、時計作りの歴史も超一流。モダンなジュネーブのマニュファクチュールとジュラ山脈の小さな村のアトリエで、2つのDNAが受け継がれています。
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宝飾と時計の、二刀流
ライムライト ガラ1973年に誕生したコレクションは、時計のラグ部分を生かしたアシメトリーデザインが特徴。グラデーションであしらわれた宝石に加え、ダイヤルとブレスレットのパレス装飾(右)と、繊細な編み込みのミラネーゼブレスレット(左)が、時計にさらなる華やかさを与えています。右(PG×グリーンツァボライト×ルビー×ガーネット、ケース径32ミリ、自動巻き)2032万8000円 左(PG×ダイヤモンド×マラカイト、ケース径32ミリ、自動巻き)748万円/ともにピアジェ(ピアジェ コンタクトセンター)標高1000メートルの村の小さな時計工房が出発点
「ピアジェ」というと、大胆なハイジュエリーに代表される「宝飾ブランド」というイメージが強いかもしれませんが、その歴史は「時計ブランド」として始まっています。スイスのジュラ山脈、ラ・コート・オ・フェにある時計工房は、1874年の創業当時から変わらない場所で、現在も時計作りの重要拠点になっています。
多機能な複雑時計を手がけることで知られていますが、最も得意としているのが、エレガントな腕時計には欠かせない超薄型のムーブメント。レディス、メンズの自社製品にはもちろんのこと、多くのトップブランドもピアジェの薄型キャリバーを採用。その完成度の高さは時計業界でも一目置かれる存在です。
一方、ジュエラーとしての実力はジュネーブで開花します。1959年に「サロン ピアジェ」をオープンさせラグジュアリーなジュエリーの数々を展示。金細工とジェムセッティングに特化したアトリエも構え、本格的なクリエイションを自社で行うようになりました。
ここに紹介する「ライムライト ガラ」は、そんな2つの「実力」を存分に味わうことができる同社のアイコンモデル。1970年代、そのオリジナルとなる腕時計をセレブリティがこぞって身につけてパーティ(ガラ)に参加したことがモデル名のいわれです。
【時計製造の拠点】
ラ・コート・オ・フェ ── ジュラ山脈 ──
ピアジェの時計工房がある村の名前は、フランス語で「妖精の丘」という意味があります。創業者ジョルジュ=エドワール・ピアジェが、19歳の時に一族が持つ農場内に建てた工房がピアジェの原点です。それ以前はピアジェ家の住居の屋根裏部屋を工房として使っていました。現在の工房は1945年に建造されたもの。
【ジュエリー製造の拠点】
プラン・レ・ワット ── ジュネーブ ──
多くの高級時計メゾンが集まるジュネーブ郊外の街にあるのが、ピアジェの本社兼マニュファクチュール。2001年に竣工したモダンなマニュファクチュールでは、主にハイジュエリーと時計の外装部分を担っています。繊細なブレスレットの調整や、芸術的な彫金加工も、ここですべて手作業で行っています。
表示価格はすべて税込みです。
撮影/Fumito Shibasaki 〈Donna〉 構成・文/市塚忠義
『家庭画報』2023年7月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。