名門ジュエラーの技と矜持の結晶 ダイヤモンドの “傑作” を知る 第2回(全9回) 地球の誕生とともに何億年もの歳月を重ねて生み出された宝石。その王者たるダイヤモンドは、いつの時代もその輝きで私たちを魅了し続けてきました。今、最高品質のダイヤモンドを惜しげもなく使ったハイジュエリーの傑作が『家庭画報』に集結。その現代的価値と魅力を、宝石史研究家の山口 遼さんが解説します。
前回の記事はこちら>> TIFFANY & CO.(ティファニー)
可憐さと大胆さを併せ持った完美なるハートシェイプ
最も基本的なカットであるラウンドブリリアントのダイヤモンドを主だった箇所に使っていない、そこにティファニーの挑戦が見てとれます。
首まわりはすべてバゲットカットで揃え、そこから20.04ctの見事なハート形のダイヤモンドを、五角形、六角形のクッションカットのダイヤモンド3個で吊り下げるという、シンプルでいて大胆不敵なデザイン。
こうしたカットを削り出すと驚くほどダイヤモンドが減ってしまうのです。デザインとしての完成度を追求するその姿勢はさすがティファニーですね。
(Pt×ダイヤモンド)7億9695万円(参考価格)/ティファニー(ティファニー・アンド・カンパニー・ジャパン・インク)
〔特集〕名門ジュエラーの技と矜持の結晶 ダイヤモンドの “傑作” を知る(全9回)
撮影/Fumito Shibasaki〈DONNA〉 文/山口 遼
『家庭画報』2023年8月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。